第26話 堕天使1

俺たちは、オオカミの森にナメクジを退治しに行こうとした。すると、堕天使のシル子が現れて、戦うことになった。


「それにしても、えらい違いだな?」

「何が?」

「ミカ子が堕天使になった時と。」

「だってあれは、堕落天使だから。」

「それで、面倒臭い、ウザい、だるい、ばかり言っていたのか。」

「堕天使になる天使にも困ったものだ。」

「おまえだ!」


天使たちは、和気あいあいとしている。そう、こいつらに緊張感など無い。


「バカは放っておいて、正義の使いさま、ご同行いただこう。」

「ギャア!? 助けて!?」


堕天使のシル子は、デビちゃんを力づくで連れて行こうとする。


「やめろ! デビちゃんの手を離せ!」

「おまえは何者だ?」

「俺は、正義の使いさまの弟子だ!」


俺は、師匠が連れていかれるのを黙って見ていられなかった。


「そういえば、弟子の人間も連れてこいとの、ご命令だったな。」

「え? 俺も?」

「不思議なことに、おまえには傷をつけるなと言われていた。なぜだろう?」

「そんなこと知るか!?」


俺は、記憶喪失なので、「あの方」との関係を忘れてしまっている。


「なぜ、スーデビを助ける? こいつは小悪魔だぞ?」

「コアックマ!?」

「かわいい! コアックマ!」

「違う!」


クマのぬいぐるみではないようだ。


「だから、こいつは小悪魔だぞ?」

「キャア! お化け!」

「とってもコアックマ!」

「違う!」


怖かったでもないようだ。


「バカしかいないのか? こい!」

「ギャア!? 怖いよ! 助けてください!」

「正義の使いさま、あなたの犠牲のおかげで、みんなが助かりました。ありがとうございました。あなたの死は無駄にはしません。」

「勝手に殺すな!」


アメリカン・ジョークだが、人間・天使は意外に冷たかった。


「お遊びは終わりだ!」

「遊んでいたのかよ!?」


堕天使は、いちいち調子が狂う。


「正義ちゃんは、渡しません!」

「天使だから、堕天使に負ける訳にはいかないな。」

「4対1で勝てると思っているの?」

「ハハハハハ! 私1人で十分だ!」


天使たちは、余裕満々であった。あれ? なにか忘れているような。


「俺も戦うぞ!」


忘れ物と呼ばれてします俺は、戦いの雰囲気に乗り遅れていた。


つづく。





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