48million ~国民総アイドル社会~

作者 板野かも

408

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★★★ Excellent!!!

ツルマがあくまでファンとしての立場を貫いたこと、彼らの目的はチクサのアイドルという夢であり体制の破壊ではないこと。

とてつもないスケールの物語でありながら、あくまでアイドル小説であることを一貫しているところが素晴らしく心を打つのだと思いました。

時代は違えど、間違いなくアイドルファンが共感できるマインドが、この作品には満ちていました。

★★★ Excellent!!!

言わずもがな、カクヨムでも人気の高いアイドル物語です。

今作の売りは可愛く煌びやかなアイドルの姿だけに留まらず、ステージで輝く為の彼女達の弛まぬ努力や、それでも簡単には思い通りにならない事に対して、それぞれの女の子が自らの回答を等身大の自分を以って示していく、そんな熱い姿までをも網羅しています。力作です。

そう、どこまでも等身大。その等身大の姿が、圧倒的な輝きでファンの人々の心を震わせる。

それは読者にも男性サイドの主人公であるツルマ君が、女性サイドの主人公・チクサちゃんを支えるひた向きさを通して感じる事が出来るでしょう。

とても設定が練られているのですが話の中心は常に、登場人物の生の心情の動きにあるのでとても読み易く、そこに無理なく挟む形で設定を語っているので世界観の理解につまづく事も殆ど無い。

それは作者が読者側の文章の理解にも目を向け配慮をしているからだと私は感じました。だからジャンルとしては普遍的ともいえるアイドル物でも、この作品は強いのです。

アイドルが好きな人に留まらず、アイドルをよく知らない人でも間違いなく、チクサちゃんをはじめとする作中のアイドルに心ときめく事でしょう!

★★★ Excellent!!!

諸手を振ってアイドル好きを公言する『板野かも』氏の代表作。
一話の時点でグイッと引き込まれ、そのまま一気読みをしてしまった。

まず『金山チクサ』という女の子が、アイドルを引退させられるところから物語が始まる。
彼女にとってトップアイドルになることは夢であり、その道を閉ざされたことはあまりにショッキングな出来事だ。
失意に暮れるチクサ……そこにチクサを応援するツルマが現れる。
彼の登場で、チクサは諦めかけていたアイドルの道を再び目指し始める。
だが、社会制度としてアイドル活動を義務付けられた世界で、引退させられた少女がもう一度アイドルに帰り咲くのはあまりにも難しい。
そうした現実を直視させられる度に、チクサならびにツルマの心情が語られるシーンには痛々しさを覚えさせられる。
そして迎えるフィナーレでは、作者の筆致が見事に爆発し、筆舌に尽くしがたい圧倒的な雰囲気を醸し出している。
情景が瞼の裏に映し出され、かくも美しい舞台が目の前に展開されてるかのようだ。

また、SFらしい特殊設定が多く散見されるのだが、それらに惑わされることはない。
ルビ使いであったり地の文であったりで、上手く説明されている。
そのおかげで現代ではない未来の話でありながら、時代性を理解しつつも情景を容易にイメージすることができる。
これに関しては作者『板野かも』氏の力量に舌を巻く他ない。
SFという小難しそうなジャンルではあるが、ストーリーは王道でわかりやすく、設定にも特別難しいところは見当たらない。
自信を持って万人にオススメできる一作である。

★★★ Excellent!!!

実は私、アイドルに関しては全くの無知であって、今も尚あまり興味が無いどころか『良さが解らない』という硬い頭をしています。

しかしこの作品は、この石頭でもアイドルの輝きと熱さが胸の中から滾るような感動と、綿密に練り込まれた未来の監視社会という相反するテーマを見事にマッチングさせた作品となっています。

ヒロインのドン底からのスタートと、それを支える主人公のボーイミーツガールはさることながら、光り輝くアイドルの熱に導かれるキャラクターの造形は見事の一言。昨今の設定だけのペラッペラな人生のキャラクターとは一線を画しています。

また現代社会にも通じる監視性と、芸能界ならではの闇を完全監視社会の人間悪として描ききっているのは見事の一言です。

ネタバレになりますが一番好きなのは、ヒロインの「みんなが切磋琢磨しあってキラキラ成長してゆく、この戦場が好きです」という台詞。ここには作者のアイドルに対する思いが全て詰まっているような、そんな気がしました。

ケチをつける箇所もありませんが、監視社会ディストピアにしては日本人の洗脳具合が薄いような? という若干の違和感もあります。

しかしながら殴り合うこともなく、必殺技も出すわけでなく、魔法が展開されるわけでもないのにこの「アイドル」に一点集中された熱はとてもとても滾る作品でした。

流石、の一言。大満足の作品でした。

★★★ Excellent!!!

13歳から22歳までの女の子が全員アイドルになることを義務付けられた国。
私がそんな国にいたら年齢的にアイドルをやっている年齢なので、こんな厳しい規則のなかでも夢を叶えるために前を向き進み続けるチクサがとても輝いてみえました。

最初は用語の意味がわからず頭にはてなを浮かべることもありましたが、最後まで楽しませていただきました

★★★ Excellent!!!

全ての女性が「アイドル活動」を義務付けられ、「ドミトリー」と呼ばれる地区で22歳までアイドル活動をさせられる未来。少女たちは、異性との交遊を禁じられ、それを破ろうものならその先の人生は潰えるといっても過言ではない「ディストピア」の中で生きている。

陰謀によってアイドルを辞めさせられたチクサは、再びアイドルになるため――サイリウムの振られるステージに立つために、無謀な挑戦に挑む。

ある種の管理社会「ディストピア」を描いていながら、作品自体はスポ根的な要素もあって、かなり熱い内容になってます。前向きなヒロインチクサによって語られるアイドルは、こんな世の中でも、アイドルという職業がいかに素晴らしく、輝かしいものであるかを読者にこれでもかというくらい突きつけてくれます。そして、自然と彼女を応援するファン「チクサ推し」の一人になっています。

主人公のツルマとのいじらしい恋愛も見所の一つです。

ディストピアSF、アイドル、スポ根、恋愛と見所の多い本作ですが、個人的には登場人物、とくにアイドルを含めた女性たちが素晴らしかったと思います。

その中でも、杁中カワナ先生には助演女優賞を差し上げたいくらい魅力でした!!

★★★ Excellent!!!

第二回カクヨムコンで人気だったらしいのでそのうち読もうと思いつつ、後回しにしてました。なんでそうなってたかというと、「はたしてアイドルに興味が無い自分が読んで面白いものなのだろうか?」みたいな思いがあったわけですよ。ほら、スポーツ漫画とかでも、そのスポーツが好きな人向けに描かれてて、そうじゃない人はお呼びじゃないよみたいなのあるじゃないですか。

しかし結論から言えば、そんな心配は杞憂で、アイドルに興味が無い私でも楽しめる作品でした。
テレビでアイドルを目にしても「きっと内心では『ドルオタきめぇ』とか思ってるんだろうなぁ」とか「こんな仲間内で順位つけて競わせてるんだから、本当は人間関係ドッロドロなんだろうな」みたいな感想しか出てこない私でも、十分に楽しめるものでしたね、はい。

舞台は未来の日本。そこでは、13歳に達した少女は全員、強制的にアイドルにされます。そして22歳でのアイドル卒業までに異性交遊などをやらかして脱退処分となった者は上級大学にも大企業にも入れないのです。

……なんという人権侵害ディストピア国家! べつにフェミニストとかそういうつもりの無い私でも、いくらなんでもあんまりじゃないですかって思いますね。

この物語は、そんなディストピアにおいて陰謀により脱退処分にされてしまったアイドルが再びスポットライトを浴びるまでを描いた逆転劇です。ビッグブラザーじみた権力を持つアイドル管理機構『オータム』から排除されながらも、非力な主人公達が起死回生を図って抗う姿にはテンションが上がります。


そういえば、オータムと言えば秋。つまり秋も……いやいや、何でもありません。

★★★ Excellent!!!

SF、燃え、萌え、シュール、感動、色々な要素が詰まった一作です。
この作品をTwitterでお勧め頂いたのが私とカクヨムの出会いでした。素敵な世界をありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

文字はぼやけ、鼻水は止まらないし、手汗でスクロールは碌にできない。
止まらない身体の震え、やっと心臓のバクバク音を意識し始めた時、あぁ終わってしまったんだと気が付いた。
それだけ本作の終盤が、甘く、アツく、そして、美しく。
――物語に引き込まれていた。


少し時間をおいて。
本作。若い女の子が全員アイドルとして雇用されるという奇抜な設定。
なんじゃそりゃ、と見送っていたのだが、本作の関連作品『ダメな近未来SFの見本』から興味を持ち読み始めたら、

――何これ、超面白い。
私個人、"SF教本"から来たので、本作の練りこまれた近未来の世界観に注目していたが、物語が進むにつれて、あたかも自分が作中の時代にいるような感覚を覚えた。
変な言い方すると、SF"設定"が気にならなくなった。
だって、その時代では"あたりまえ"のことだから。
「卓上端末《インターフェース》」「スマートチェア」、見たことないはずなのに、語感から私程度でも何となく想像できて、いちいちそれがどんなものであるかなんて考える必要は少なかったし。
SFに詳しくともそうでなくとも、またアイドルに興味あってもなくても楽しめる。

そう本作で一番重要なアイドル――と書こうとしたけど、文字数が多くなるし、何よりも私がいくら言葉を重ねても伝えきれるかどうか。
SF要素についてもですが……というか本作の素晴らしいところを"要素"で抽出しきれる訳ない。
練りこまれた沢山のそれが、魅力的な世界観を構成しているんだもん。

だから、レビューの頭に書いたことについて少しだけ。
本作の終盤、物語は加速度的に進む。多彩な表現による文章は、確かに文字であるというのに、脳は瞬時にそれを映像へと変換した。
身体は震え、感動か興奮か、よくわからないが、熱くなった目を何度、枕で抑えたことか。
一文一文、一言一言が感情を刺激してくる。こんな体験、初め…続きを読む

★★★ Excellent!!!

これはまるで花火大会である。

期待を高める演出があり、
花火が打ちあがる。
「おおっ」と声を上げることもまた演出の一環である。
そこには観客同士の一体感がある。

そしてまた音楽が流れ、ナレーションが流れ、
花火が打ち上がる。
「おおっ」とまた声が上がる。

それは加速度的に迫力を上げ、
ひたすらに花火は打ち上げられていく。
音楽、ナレーション……そういった演出はすっかり意識の外に追い出され、観客の目は花火に釘付けになる。光と、遅れて届く音に、痺れる。脳が痺れていく。

全ての花火が打ち上がっても
なお脳の痺れは残ったままで、
目を閉じれば混沌美麗な花火の風景が蘇る。

花火大会よろしく、
最初から最後まで一気読みせざるを得ない逸品だった。
一種鬼気迫るような迫力があった。
そして今も、圧倒的な余韻が残っている。

★★★ Excellent!!!

国内の女性すべてにアイドル活動が義務つけられた世界、というワクワクするような度肝を抜かれる設定だけで、これは絶対読まねばと思わせられるには十分でした。
前情報を得た段階では、風刺色の強い作品なのだろうなと思いましたが、確かに風刺的な部分も多々あるのですが、この作品の核は本気で最高のアイドルを目指す女の子と、彼女を慕い、全力で推し行為をする幼馴染の男の子の、恋愛未満の絆と友情の人間ドラマなのだと思います。
また、この作品の説得力の凄さは尋常じゃないです。ハードSF張りの世界設定、その構築力にはびっくりしました。ただのアイドル小説ではありません。もう一度言いますがバリバリのハードSFです。
全体的に読みやすく、板野さんはかなり読み手に気を使って工夫して書かれているようです。適切なタイミングで適切な情報を読者に与え、途中でダレないように、サプライズを配分し、導かれるように自然に読み進めることができます。手練れです。

このレビューで一番言いたいことは、「チクサ愛してるぞ」です。僕はプライベートでもアイドルのライブに参加しているのですが、彼女のステージは、実際のアイドルのライブに劣らず魅力的で刺激的で、板野さんの一種詩的な言葉の洪水で表現されるパフォーマンスは、そこに至るまでの成り行きを見守ってきた僕にとって、特別な感情を抱かせるに足る素晴らしいものでした。泣きました。

最後に、読むのに時間がかかって申し訳ありませんでした。

★★★ Excellent!!!

とても読みやすく、世界観や設定がうまくできていて、素直にたのしめました。

アイドルとはなんぞや、と思いながら読み進めていくうちに、推理要素もあり、アイドル一択で終わらないのが素晴らしいと思いました。おもしろかったです。

★★★ Excellent!!!

広く話題を集めた作品です。今さら語ることもないかとは思いますが、改めて。
この作品の良さというのは一概に言い表すのが難しいです。SFとしても、ボーイミーツガールの物語としても、現実のアイドルへの風刺としても優れていて、何が長所だと言い切るのが難しい。あえて言うなら、全編にわたって貫かれた作者の「配慮」こそが一番の持ち味かもしれません。

大人の策謀で夢破れたチクサが、再び夢を叶えるために駆け上がっていくストーリー。
ふつう、こういう監視社会を描いたSFって、もっと物語全体に暗鬱な絶望感が漂っているものだと思うのです。でも、この作品は、確かにチクサは可哀想な目にばかり遭うのだけど、根底には「希望」を追う雰囲気が流れている。
アイドルというテーマを選択したからこそなのでしょうか。絶望の中に希望を差し込むお話作りが、すごく上手いと感じます。気付けばヒロインや主人公と一緒に悲しみ、傷付き、成功に喜び、怒涛のクライマックスを迎える。遠い未来の話で、人々の価値観も何もかもが違う世界の話なのに、ここまで感情移入してしまうのは、この作者さんに言わせれば「アイドルの輝きは永劫不変だから」ということになるのでしょうか。

あえて物足りないというか、「あれっ」と思った点を挙げるなら、何もかもを有能な兄が解決しすぎてしまって、主人公がほぼ受け身に終始していること。最後の黒幕との対決に行き着くまでに、もっと主人公自身が自分の力で動くお話があったら、さらに面白くなるのかなと感じました。

★★★ Excellent!!!

アイドルにそれほど興味はありませんでしたが、
あの板野さんの代表作ということで読んでみると、
意外にもいわゆる萌え系の作品ではない、
特撮繋がりで入った僕にも楽しめる作品でした。

スーツアクターのお話でも、東映をもじって北映など
パロディやりたい放題の作風だった板野さんですが、
こちらも露骨にAKBをパロディしていますね。笑
でも、どんどん国内にグループが増えて、
見分けがつかないくらいアイドルの人数が多くなっている今を見ると
日本中がアイドルに埋め尽くされてしまう未来も
あながちフィクションだけとは言えないのかな?という気もします。

ラストに向けて、少しずつ仲間が増えて、
駆け上がっていくチクサちゃんの一途さが格好良かったです。

スーツアクターのお話に出てきた豊橋レナちゃんが
この作品のレナちゃんなのかな?という妄想も膨らみますね。

★★★ Excellent!!!

凄い凄いと言われるからどんなに凄い作品なのかと思って読んでみたら、想像をはるかに超えて凄かった、という話。

SFの往年の名作のエッセンスを沢山取り込みながら、アイドルという最新の題材で一味違ったディストピア世界を仕立て上げてみせた、この作品。

随所から作者のSFへのこだわり、そしてアイドルへの愛が伝わってきます。

多くの先進技術や現代と違う価値観が登場する話でありながら、それらがすべて登場人物達の日常に根付き、SF要素と人間ドラマが完全に融合しているのが凄い。

時代が進みすぎたことで、逆に、21世紀の我々が目にしている動画共有サイトなどの「旧技術」が、まるで新世界のチート技術のように劇中で活かされているのも凄い。

そしてただSFとしてレベルが高いだけではなく、敵味方のリアルな描写が相俟って、カタルシスのある人間ドラマとしても仕上がっている。

本当に凄い作品を見せてもらいました。

続編も多く出ているようで、今後の展開も楽しみな一作でした。

★★★ Excellent!!!

未来に羽ばたくアイドルの話。

少し前に話題になっていたので一度通して読み、今回カクヨムのアカウントを取得してもう一度読みました。

この小説のすごいところは、無限増殖ともいえるここ数年のアイドルの状況や、センテンススプリングなどの時事ネタを巧みに入れ込みながら、未来を描くSFとして一本筋の通った世界観を構成し、それでいて人間ドラマもしっかり見せているところでしょう。

無垢に夢を追うヒロインのチクサや、どんな手を使っても上に這い上がろうとするトップアイドルのクリス。チクサを救おうと奮闘する主人公ツルマやその仲間達も含めて、出てくるキャラクターがみんなリアルな行動原理を持っており、「こういう人、いそうだなあ」と思わせてくれる人物描写になっているのも、ポイントが高いです。

この作者はアイドルのキラキラした魅力を描きながら、それでいて現代にも通じる芸能社会の闇やマイナスの面をも作品に詰め込んでおり、一見してアイドルを肯定する立場なのか否定する立場なのか分からないというところが面白いですね。

作者が本作に込めたメッセージは何なのか、議論のしがいがありそうな一作だと思います。


★★ Very Good!!

国民が、住まう女性が全てアイドルになる近未来ーーという、インパクト絶大な設定。
しかし蓋を開けてみると、監視社会化したディストピア物として練られてあるという驚きが読者を驚かせてくれます。
SFとアイドルを融合させた点だけでなく、仲間達の協力を得て挫折からの再起を図るという、熱い青春物語としての側面があるのも、多くの評価を得る理由になっていると思います。

作品舞台としてのSF、近未来でありながら投票や握手券といったアイドルのシステム、そして夢や目標に向かって努力する姿は、作品の内外を問わず人の心を魅了する。
そうしたそれぞれの『根底』にあるものがこの作品の最大の魅力だと思います。
どれほど時代が過ぎても、社会が変わっても、変わらない大切なものがある。それを深く読者に訴えかけてくるこの作品は、まさに『イチ推し』の作品です。

★★★ Excellent!!!

作者の別作「ダメな近未来SFの見本」から本作品に入りました。
SF的設定に拘る方なんだろうと期待して読み始め、それは全く裏切られないのですが、SF的設定は所詮舞台に過ぎず、その舞台で活躍する登場人物の魅力が重要なんだと改めて気付かせてくれる作品です。
10万字強なので、本作品自体のストーリー展開はオーソドックスな物ですが、終わり方がto be continued で、実際に続編も有って、気に入れば深入りできる正に今風な構成です。
さて、その登場人物ですが、芸能関係の仕事もしているだけあって、アイドルに対する作者の温かい気持ちが所々に漂っていて、だからこそ登場人物が益々魅力的に仕上がっています。
それにしてもカクヨムには、作者を始め、ふたぎおっと氏、高尾つばき氏、銀鏡怜尚氏と名古屋周辺出身の面白い長編の書き手が多いですね。

★★★ Excellent!!!

理想のアイドルとは何か?
近未来にてスターダムを駆け上がろうとする少女と
夢を追いかける少年、そしてそれを助けるたくさんの大人達の
サクセスストーリー。

自分が追いかけた大好きなアイドルは
なんだったかなぁ~。
すごく悲しい思いをした気もするし
それもまた良き思い出だった気もする。

そんな自分の想い出を立ち返ることができる
素敵な作品です。

★★★ Excellent!!!

国民の女性全てがアイドルになることを義務付けられた近未来で、スキャンダルによってアイドル社会から追放されたヒロインの汚名を雪ぐために主人公たちが奮闘するSFドラマです。

国民の女性全てがアイドルになるという設定は、アイドルファンにとっては歓迎するものなのかもしれませんが、現在のアイドルにあまり詳しくない自分にとっては正直、最初は現実感のない世界だと思っていました。

しかし、大災害後に社会を統制する管理機構が生まれることなど、練り込まれた世界観が作品にリアリティを持たせており、単なるライトノベル的世界でのラブコメではなく、重厚感のあるSFドラマとして仕上がっています。

物語が進むにつれて明らかになるスキャンダルの真相。アイドルという輝かしい職業に影のようにつきまとう負の側面は現代でもありえることで、社会が進歩しても変わらない人間の愚かさを浮き彫りにしています。

文明の発展具合も管理社会であることを考えると納得できるものです。進歩している技術についてはもちろん、逆に社会的な理由で退化している技術についても描かれており、SF作品としての世界観が作り込まれていることがわかります。

そしてアイドル社会から追放されたヒロインが、逆境に負けずに努力と知恵を駆使して状況を変えていく描写には胸を打たれます。この作品はフィクションですが、現実のアイドルも状況は違えどきっと同じように強い思いと純粋な熱意を持って努力を重ねているのでしょう。

儚くも強く美しい。

最近は女性アイドルに対して女性ファンも多いと聞いたことがありますが、それも納得できます。この作品を読んで現実のアイドルに対しても考え方が変わりました。

★★★ Excellent!!!

 わたしは昨今のアイドルのありように疑問を抱く一人です。
 音楽活動をプロデュースするよりも、握手の権利を売っているかのような印象のマネジメントが大きな要因です。
 この作品を読んで、勝手ながら、作者様も似たような感情をお持ちなのかな、と思いました。
 SFとしてとてもしっかりとした基盤を構築し、数世紀先の未来を描きながらも、実は現状のアイドルについて思うところを述べているのではないかな、と。(違っていたらごめんなさい)

 アイドルのトップを目指すチクサは冤罪により芸能界を追われるが、周りの協力を得て復活のチャンスを得て本懐を果たしていく。

 一番シンプルにあらすじを描くとこうなってしまいますが、この物語の中にはたくさんのメッセージが込められていると感じました。
 その一番大きなものは、どれだけ社会が変わろうと、時代が進もうと、人の心を動かすのは、強い思いと、そこから生み出される言動なのだ、ということではないか、と思います。

★★★ Excellent!!!

SF論も書いている板野かもさんの代表作。
最初は、板野さん自身がよく使われている「出落ち小説」という切り口が気になって読み始めたのですが、少しずつ読んでいく内に、この特殊な世界に引き込まれていきました。
小生はまだSF初心者ではありますが、この作品はSFとしての出来がいいんでしょうね。
アイドルが国を支配するという出落ち的な発想を、上手く膨らませて、巨大な世界観の作品に仕上げています。
SFに疎い人でもひとめで「これがSFのすごさか」と唸らせてくれる傑作だと感じました。
板野さんは「ダメな近未来SFの見本」という講座的な作品で、良いSFとダメなSFを分けるポイントについて語っておられますが、代表作であるこの作品自体が、良いほうのSFの手本のようなものですね。

★★★ Excellent!!!

アイドル物語の長編です。

僕はアイドルに興味がなくむしろ嫌っている節があるのですが、この作品を読んでイメージが変わりました。

天性で愛嬌を振り撒けるだけでなく、純粋な思いでアイドル活動に専念する彼女。

そこにはやはり執念や思いがのり、共感してしまいます。

一人の力だけではなく、皆の力を合わせる団結力。熱くエネルギーに満ちた人間ドラマを見ることができました。

これからは違った視点でアイドルを見ることになりそうです。

この作品のさらなる発展を願って、星三つ送らせて頂きます。



★★★ Excellent!!!

これほどSFらしいSFをカクヨムで見たことはない。
「SFらしいSF」とは、現代からの延長の未来技術がリアルに設定されていること。
そして、その技術によってもたらされる世界の変革が詳細に描かれていることだ。

「国民総アイドル社会」というキャッチーな掴みで始まる本作だが、中身は上記を満たした完全なる本格SFだ。
女子全員が国家規模の組織によってアイドルにされるというこの社会の制度、技術、歴史にまつわる設定は、読者を圧倒するほど濃密で、きっと設定を書き出すだけで文庫何冊分もの分量になりそうだ。
それだけの膨大な設定を用意して世界を作り込みながら、作品としてはあくまで一人の少女がアイドルを追い出されてから復帰を目指すわずか一ヶ月足らずの物語を描ききることに徹しているというのも面白い。
きっとこれは、この世界の数百年のアイドルの歴史の中で、数え切れないほどあったドラマの一つにすぎないのだ。
この贅沢ぶりがすごい。

これほどの設定があれば他にいくらでも話が作れそうだし、現に作者は続編やスピンオフを既にいくつも生み出している。
底が知れないアイドル社会の世界観はきわめて魅力的だ。
それは、少なくとも、このシリーズを追い続けるためにわざわざカクヨムにアカウントを作りたいと一人の人間に決意させるだけの力を持っていた。
これからも応援し続けよう。

あ、あと、書籍化期待しています!

★★★ Excellent!!!

 僕は、アイドルというものがよくわからない。

 もともと、他人の顔が思い出せないという病を抱えているので、それが原因かもしれない。
 目を瞑ると、人の顔が浮かばなくなる。
 ぼんやりと輪郭が浮かぶのだが、顔を思い出そうとしても、のっぺらぼうのようになってしまう。
 家族の顔も、自分の顔も、思い出せない。

 そんな僕でも、写真のようにはっきりと鮮明に像を再生できる女性がいて、その人のことを、僕は女神、あるいは天使と呼んでいる。僕の人生で直接対面した人では、いままで二人だけしかいなかった。
 他の人にとってのアイドルというのは、僕にとっての女神や天使のようなものではないかと推察する。

 芸能人の大半も記憶できない。顔がわからない。
 しかし、芸能人も、ひとりだけは顔を覚えることができた。
 それは『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』に出演している、福原遥だった。
 僕は毎日欠かさず、まいんちゃんを見ていた。
 彼女と結婚するにはどうしたら良いのか、本気で考え、行動に移していた(!?)。
 まあ、いまでは笑い話である(笑えない話かもしれない)。
 
 読んでいて、そんな懐かしい記憶がよみがえってきた。

 そのような、アイドル音痴の人間が、この小説を読んだ。読んでしまった。

 それではレビューに移ろう(何を隠そう、いままでの文章はエッセイである)。

 僕の勝手な想像だが、この物語は、あえて隙をつくってある。

 隙という言葉が悪ければ、余白とでも言うべきか……。
 普通の作品であれば、これは瑕疵になり得る。
 もっと説明、描写が欲しいと思うだろう。

 例えば、主人公とヒロインが以前、どのような関係、あるいは無関係だったのか。
 なぜふたりの魂は通じ合っていたのか。そこが一切語られない。空白である。
 ここまで緻密な世界設定を考える作者が、その過去を想像していな…続きを読む

★★★ Excellent!!!

発表以来、何かと話題に挙がるこの作品。
最初は「国民総アイドル社会」というタイトルのインパクトだけで騒がれているのかなと思ったけど、ちゃんと読んでみると違っていた。

これは硬派なディストピアSFと瑞々しい青春物語が鮮やかに融合した奇跡の作品だ。
第一話からいきなり独特の世界観に引き込まれ、ヒロインの脱退の謎、ヒロインを助けようとする主人公の思いにぐいぐいと引き付けられる。

話数が進むにつれて徐々に明らかになっていく陰謀の真相、そして「国民総アイドル社会」の全貌とその歴史。
最初から全てを説明してしまうのではなく、あくまで物語の自然な展開に落とし込みながら設定を見せていく書き方が実に上手い。

レビューを見ると、クライマックスのライブ対決を最も感動するシーンに挙げる人が多いが、その直前の握手券のくだりもなかなか泣かせる。
「アイドル」を題材にしていなければ描けないほのかな恋物語に思わず泣いてしまった。

題材と前評判で敬遠している人にこそお勧めしたい。良い作品です。

★★★ Excellent!!!

13歳から22歳までの女の子は、全員がドミトリーと呼ばれる隔離された場所に住みアイドルをめざす、徹底した管理社会。

その社会から、意に反して零れ落ちてしまった少女。

その少女と、彼女を支える人たちの、アイドル復帰を目指す前代未聞の戦いが始まった。

それは単にアイドル復帰というだけでなく、徹底した管理社会への戦いでもあった。




まず、その独特な世界観に驚かされ強烈に惹かれました。

そして、舞台が高度に情報統制が進んだ未来になっていることで、主人公たちがとっている手段が現代の私たちには馴染みのあるものであるにも関わらず、とても画期的なものに見える手法にも唸らされました。

とにかく、彼女を復帰させるべく突き進む彼らの活動に目が離せず、一気に読み終えてしまいました。とても面白かったです。

★★★ Excellent!!!

48グループが数百年を経て国家にとってかわり、
国内の全女子がアイドルになった未来の話。
身に覚えのないスキャンダルをかぶせられ、
アイドルを脱退になったヒロインのチクサちゃんが、
主人公のツルマの助けを借りて、
アイドルに復帰するため頑張るという物語です。

恐ろしいほど詳細に作りこまれた設定と、
高いレベルの文章、そして可愛すぎるキャラクターに、
誰もが感動すること間違いなしのSF巨編です。

そして何より、
48グループを知っていると笑えるネタがたくさん(笑)
アイドルの輝きは何百年たっても色あせませんね。

★★ Very Good!!

今からもう数年前になるのだろう、「会いに行けるアイドル」というコンセプトのもと、「アイドルは雲の上の存在」という歌姫の定義が打ち壊され、身近で親近感を売りにしたアイドルグループが誕生した。
それによって今に続くアイドルブームが起き、類似したコンセプトで多くのアイドルも誕生した。
また、二次元の世界でもアイドルアニメが空前のヒットを飛ばした。

ただ、彼女達がもたらす莫大な収益はそのまま水面下で利権を巡る醜い争いをももたらしている。
未成年で未成熟な少女達もそんな利権や大人の都合に振り回され、あるいは彼女達の大人になり切れていない未経験さの過ち故に様々な事件、現象を巻き起こした。
アニメでもアイドル達は様々な障害に直面し、悩み、時としてぶつかり合い、やがて答えを見出すが。
だが、そこにファンという男性が何らかの役に立つことは決してない。
現実世界でも二次元でも、彼女達はあくまでアイドル、「虚像」なのだ。

そして、何らかの醜聞が起きた時、彼女らはたいていファンに裏切り者として叩かれ、プロダクションから解雇される。
用済みの汚れもののように。
それでも、それは都合の悪い闇の部分として目を背けられる。
現実のアイドルの世界、あるいは二次元のアイドルアニメの世界でそれがテーマとして提起され、描かれることは決してない。

だが、「48million ~国民総アイドル社会~」は「触れてはならない」禁忌に敢えて真正面から取り組んだ非常に珍しい作品である。

ネタバレになるので内容について詳しく触れられないが、作者は「国内の全女性がアイドル活動を義務付けられた未来」という非常に面白い舞台を設定した。

妙齢の女性を優遇隔離した特殊な管理社会で起きた事件と裏、そして解決と結末。

アイドル事業で巨万の富を貪るプロダクションが社会を牛耳っている未来社会という舞台は、富や権力の醜い独占を「闇」…続きを読む

★★★ Excellent!!!

国内の全女性がアイドル活動を義務付けられた未来、という斬新な設定に惹かれて読み始めました。一時は絶望のふちに立たされたチグサが復活する王道ストーリーで、特にラスト付近の展開は熱く、カタルシスが感じられて良かったです。読み進めているうちに設定は斬新なだけでなく、かなり練られ作り込まれていることがわかり作者のセンスと熱意を感じました。ライバルのクリスちゃんがお気に入りなので番外編などでもっと活躍してほしいです!

★★★ Excellent!!!

女性が全員アイドルになる未来のお話。
あらすじだけですでに面白いです。

アイドル×SF。
この組み合わせって今までなかったような気がします。
それが見事に傑作として、この世界に現れてくれたことに、心より感謝致します。

本気でアイドルを目指すチクサが、ある日突然に、グループを脱退してしまう。それを知ったチクサのファンであるツルマは、チクサがグループを追われたのは誰かの陰謀だと考え、解決に向けて動き出す……というストーリー。

序盤で描かれる近未来感とぶっ飛んだ設定に、読者はいつの間にか虜に。
そして事件が起こると、解決に奔走する兄弟やアイドル復帰に向けて頑張るチクサを、ついつい応援しながら読んでしまいます。

クライマックスのシーンも素晴らしいです。
感動しました。最高でした。
こんな単純な言葉でしかこの感動を伝えられないのが心苦しいです。

とにかく、チクサという一人のアイドルは、輝きを放っていました。
その輝きは、時を超えて次元を超えて、私の元まで届きました。

オータム、スプリング、センテンス、キタガワ、などの小ネタも盛りだくさん。すごく楽しいです。
私が気づいていないものがあるかもしれないので、これから皆様のレビューを読みに行きます(笑)

★★★ Excellent!!!

高度な管理社会を描く昔ながらのSFの本流に、アイドルという現代的で瑞々しいテーマを放り込んで見事に調和させた作者様の技量と挑戦心に惚れました。

現代の私達と大きく違った価値観のなかに生きている登場人物達の、それでも時を経ても変わることのない純粋な夢や恋心に胸を打たれる一作でした。

★★★ Excellent!!!

やっと読むことができました。この作者さんの代表作(?)の、SFアイドル物語です!
女性が全員アイドルを経験するという奇抜な未来で、アイドルをやめさせられた女の子が、主人公の助けを借りて、アイドルに復帰するまでの話です。ヒロインの女の子への主人公の純粋な思いが貫かれていて、感動します!
どんな未来世界なのかの設定が凄く細かく決めてあって、SF好きにはたまらない作品です。
僕は同じ作者さんの「女神のウェディングベル」と「ダメな近未来SFの見本」を先に読んでしまっていたのですが、出てくるキャラクターがこの作品のキャラだったことを後から知り、ギャップというか、元の作品を派生させて色んな雰囲気の話を書ける作者さんは凄いと思いました。僕も自分の創作の参考にしたいと思います。

★★★ Excellent!!!

SFとアイドルというオモシロイ組み合わせに惹かれて読んでみたら大当たりでした。

作り込まれた設定、世界観がまず凄かったです。
「センテンス」などのネーミングには笑いましたがw

ライブのシーンにはとても感動させられました。
文章でここまで演出できるのかーと驚きです。

とてもおもしろい作品をありがとうございました!

★★★ Excellent!!!


逆境に負けず、再度アイドルを目指す少女・チクサ。
彼女の幼なじみであり、ファンであり、最大の理解者である少年・ツルマ。
この二人を中心にした物語です。

未来を思わせる硬質な世界観のなか、「無実の罪」によりアイドルグループを脱退することになったチクサちゃん。
ツルマくんや、彼の兄・ヒサヤさんの協力を受けながら、彼女が夢を諦めることなく地道に活動を続ける様子は、とても健気で愛らしいです。
彼女の汚名を晴らすため、ツルマくんが危険を省みることなく首謀者に立ち向かうシーンは会話に迫力があり、緊迫感のある展開でどきどきしました。
また、所属グループへの復帰をかけたスタジアムでの対決シーンは、本当に印象的です。
とてもテンポがよくて、一つ一つの動作が目に浮かぶようです。
チクサちゃんと、トップアイドル・栄クリスがそれぞれの言葉で語る内容は、本当に感動的で胸が熱くなりました。

この作品で描かれる未来の社会は、技術の進歩により生活は快適さを増しています。
また、情報網の発達により常に監視されている側面もあるのです。
現代社会に通じる部分が多く、とてもリアルだと思いました。
アイドルグループに関する描写も詳しくて、「東海ミリオン」が実在していると思えるくらいの熱が感じられました。

文章がとても美しくてなめらかで読みやすかったです。
物語には勢いがあり、先へ先へと引っ張られました。
すでにたくさんの方が評価している作品ですが、もっとたくさんのかたに読んでいただきたいと思います。

素晴らしすぎました!

★★ Very Good!!

まず、私はアイドルの事は解んない。
モー娘。の加護ちゃん辻ちゃんが、小学六年の時に流行っていたのを知ってるくらいで。
ラブライブとアイドルマスターは同じものだと思っていた。

だから、この作品を正しい観点からは読めないだろう。と感じ敬遠していた。

でも、SFには興味あるし。
と、試しに、一話と二話を読んでみた。

読めた。こういう言葉は失礼だが。

これは、近未来舞台の………普通のSF小説じゃないか?と思った時には続きを読んでいた。

結果。最終話まで読んだ。そして、唸った。

そもそも、SFと言う分野は難しい。予備知識が必要な為、新規者の票を獲得しにくいからだ。

しかし、過去にそんな分野で、小学生。
そして、中高生の票を獲得した作品がある。

先の作品は「ドラえもん」そして、後の作品は「涼宮ハルヒの憂鬱」だ。

この作品。この二つの作品と共通点がある。
SFに、付加要素を付けて、別カテゴリに居る読者を呼び込んでいるという点だ。

ドラえもんはコメディ。
ハルヒは、当時流行っていたジャンル全て。
そして、これは「アイドル」

そして、更に重要なのは。
「ストーリーに影響が無いところで、SFの知識を書く」

こうすると、SFで入って来た読者にも物語の本質を改めて知らせる事が出来る。

そういった読者全員に向けての対処もしっかりと出来ている。

そして、ラストにはしっかりと、恐らくは本命狙いの男性読者が好みそうな熱い盛り上がり展開。そして、カタルシス。

外見は、アイドルでSF。と奇抜なのに。
中身は王道を強襲しまくっている。過去に人気が出た展開をなぞっているので、面白くない訳がない。
それが、この作品の個性をより一層輝かせているのだろう。

うう~ん。
上手い!と、読み終わって言ってしまう作品でした。

★★ Very Good!!

最初に個人の趣向を述べる非礼が許されるのなら、アイドルモノは好みではない。

SFジャンルでこのタイトル。どういう配合してるのかな?と少しだけ興味が湧きクリック。

仕事疲れの目にはやや厳しいタワーなものの、完走できたのは構成のメリハリを意識して書かれているからだろう。


SFの魅力は現実とかけ離れた世界設定があるかどうかが肝。
本作は宇宙の彼方や超兵器が飛び交う戦場を舞台とはしていない分、時代は別として現実との距離はそう遠くない。
女子全員アイドル、統御を至上とする体制社会が縦軸と横軸。(V・フォー・ヴェンデッタ、鋼鉄都市を思い出す)
SFとしてしっかりベースが出来ている。

が、世界観だけだったら共感は得られない。

本作は、そんなアイドルが文化インフラになってる国の片隅で、夢かかえて走るキャラたちの喜怒哀楽をスパイスとしてうまく、アイドル業界という食材にふりかけているところが味なのだ。

競争社会にはよくある陥穽にはまった少女は一度失墜する。
復活を信じて動き出す主人公と万能兄貴、そして黒い霧に立ち向かう彼女に夢を託すファンたちの想いが集い始め、少女は再び駆け上がっていく。
一方の絶対王者は手段を選ばず黒い霧に身を浸して、階段の頂上で待ち構える―――。

展開はまとめれば簡単だが、SFに必要な世界観、読み続けるに必要な入り込めるキャラクターはちゃんと用意されている。

この作品の味は第18話の最後の一行まで辿り着いて判断してはどうだろう。

最終話はさっぱりとしたデザート、ですかね。