俺のコードネーム

星空ミウ

俺のコードネーム

 バイト先でコードネームをつけることになった。そんなの要らないと思うが、まわりは結構乗り気である。


「あの、コードネームは呼ぶとき、恥ずかしいと思うんですけど。」

「そうかな?」


「例えば、コードネームを007にした場合、どう考えてもジェームス・ボンドを思い出すし、13にしたらゴルゴ13のデューク東郷だし、999だったら銀河鉄道だし、110だと警察だし、それに…。」

「それ以外のにしようか?」


すると、バイトの後輩の真希ちゃんが話に加わってきた。


「私、11にしようと思うんですけど。」

「いいじゃない?特に11だったら、他のイメージに被らないよね」

「それだとさ、サッカー好きの人みたいだよ。」


「サッカー別に好きじゃないし!」

「真希ちゃんは、イレブンでよし!」

「変ですって。」


真希ちゃんから睨まれた。


「勝手なイメージしないでください!」

「はい、もめない!君のコードネームは勝手に決めるよ。うーん、12だ。」

「いや!なんでですか!なんでトゥエルヴ!」


俺はトゥエルヴなんて思いもしなかったコードネームをつけられ、瞬時に違うコードネームを考えた。


「俺は、100万のミリオンにします!」

「ダサい。」

「ファイナルアンサー?」


「いや、変える!0のゼロだ!」

「かっこわるい。」

「ホントだね。」


俺の考えたコードネームを馬鹿にされ、俺は思いもよらぬ屈辱を味わっている。コードネーム自体が反対だったのに。


「トゥエルヴで構いませんよ。」

「わかった。」

「月曜日はイレブン、トゥエルヴでバイト頑張りましょう!」


俺、トゥエルヴってコードネームになったけど自慢できない。真希ちゃんはなんでイレブンにしたのか。


「真希ちゃん、なんでコードネームをイレブンにしたの?」

「内緒です。トゥエルヴ先輩、早くこれ運んでください!イレブンは野菜切っときますから!」


トゥエルヴ先輩…。さすがに頭痛いな。イレブンってコードネームがよく思えてきた。早い者勝ちってこういうことだな。さあ、早く鶏ガラ運ぶか…。


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ショートショートばかり書いてます。作風はふんわりさらさらショートショートです。またエッセイも多いです。 長編には時間をかけて取り組めたらと思ってます。 読むのは遅く、ハラハラドキドキがある作品は…もっと見る

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