銀行員のクズと怪人シャーロック・ホームズ

作者 みぎとり

124

44人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

とても読み応えの銀行員ノワールもの。読み終わってとても満足感に浸れる作品でした。

最愛の妹が事故で死にかけている。
治すなら四億円は必要だ。期限はたった一月。
しかし貴方はただの銀行員。さあどうする!?


――ならば、人は悪に堕ちるしか無い。


そんな狂気に駆られた主人公が、銀行員という力を使いあの手この手で悪事に手を染めて必死になって金を集めてゆく。そんな荒唐無稽ともいえる物語の展開に説得力をもたせているのは、一重に作者の銀行という知識の賜物なのでしょう。

本当にあるのかは定かではありませんが、銀行員とは「店長社長一人を首吊らせてようやく一人前」などという都市伝説めいた噂もあります。実際に見聞きした経験上でも、そんな事があるのだろうと思えるほどに偏見を持っているのが正直なところです(銀行員の皆さんごめんなさい)。

本作品は実際に人を追い込み、法やシステムの穴を突き、実際に人間を死に至らしめながらも銀行員という暴力を裏付けされた知識と共に展開されてゆくため、主人公の取る手段一つ一つがリアリティに溢れていて、読み進めているうちにゾッとするような恐怖を体験することになります。

しかし順調に妹の治療費を稼げると思いきや、そこに現れたのは怪人ホームズ。出てきてほしくない場所に神出鬼没、それどころか主人公は彼の助手として手助けをしなければならないというのだから面白い。

超スゴ腕の探偵を出し抜き、世間を出し抜き、妹の為に悪に手を染める。

何度もピンチに陥れられては、這いつくばるようにして前に進む。

そんな健気とも言える主人公の行動は、最後のどんでん返しで思わぬ事態に見舞われてしまいます。読み終えたならこの先を言いたい! という衝動に駆られるのですが作法に則ってここでは書かないことにします。ネタバレだからね。

金という軸に悪意が渦巻き、漆黒とも呼べるエゴイズムに翻弄… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

あなたには、どんなことをしてでも守りたい最愛の妹がいました。ある日、最愛の妹は交通事故に遭って脳死状態に陥ってしまいました。担当医はあなたに「手がないわけじゃない」と前置きした上で、こう言います。

「四億円……一か月で準備できるか?」

ちなみに、あなたの仕事は銀行員です。



本作は、主人公・神沢が犯罪行為も辞さず「どんなことをしてでも」四億円を工面する、いわゆるサスペンス小説です。作者様の豊富な金融知識に裏付けられた、銀行員ならではの「お金の巻き上げ方」には一定のリアリティがあり、少なくとも金融素人の自分目線では「なるほどなぁ」と唸らされます。

個人的に注目すべきは、主人公の虚無性だとぼくは感じています。

妹のためなら自分の人生を捨ててもいい。主人公はそう思い込んで様々な犯罪行為に手を染めます。何に替えても妹を。それは、ひとえに妹が大切だから。ただそれだけ。

でも、本当にそうでしょうか。

主人公の神沢は、銀行員としての自分の人生に価値がないことに気付いています。銀行員としての人生を全うし、出世街道を歩み、例えば頭取まで上り詰めたとして、それが一体何だと言うのだろう。

だから神沢は、「小説」という才能に溢れた妹を何よりも大切にします。妹が何よりも大切だ。妹には才能があるからだ。一見美しい思いですが、それは単に「何者でもない」自分の人生に価値を見い出せないことの裏返しでしかありません。



この物語の結末、自分という存在に価値を見い出せない神沢に、最後に用意されたものは、一体なんだったのでしょうか。なぜ主人公はこんな道を歩まなければならなかったのか。

その結末はぜひ、あなたの目で確認してみてください。

★★★ Excellent!!!

もう、脱帽ものです。最高でした!こんなの、面白くないわけないじゃないですか!?
わたしも物語を読み進めながら一緒に推理していたのですが、裏の裏の裏をかく衝撃の結末に戦慄しました。
ええ、気持ちよく騙されましたよ!

この物語で本当に凄いと思ったのは、物語に登場する人物の渦巻く《狂気》です。

レビューで盤上と称させてもらいましたが、物語を読み終え、その意味を理解したとき、きっとあなたも盤上を動かす《狂気》に身震いするはずです。

さて、銀行員である主人公、その妹が事故に遭い意識不明の重体となるところから物語は始まります。
一月で四億円。妹を救うために必要な金を用立てるために主人公は銀行員の立場を利用して、思いつく限りの犯罪で金策に走る……のですが、まず銀行という舞台を利用した犯罪に舌を巻きます!

順調に金を集めていたかと思うと、シャーロック・ホームズと名乗る怪人が現れ、この人たちがまたくせ者!

複雑に張られた伏線、優秀な銀行員と探偵の心理合戦、目を離すところなど一ヶ所たりともありません。

本当に凄いと思いました。
最後の最後まで予想の上をいく面白さは、圧巻の一言。
最高に面白かったの!だから、読んでください!絶対、ぜったい満足しますからっ!

★★★ Excellent!!!

妹を救うために危ない橋を渡り、必死に四億円を集めようとする主人公
ピンポイントの推理で主人公を追い詰める怪人シャーロック・ホームズ!
追い詰められた主人公と、追い詰めた怪人の結末は……

ミステリー小説なのでネタバレは書けないのですが、犯人側から見た犯罪劇と徐々に追い詰められる緊迫感が読者を引き込みます。

序盤・中盤・終盤と徐々に仄めかされる背景と謎解き。
読んでいる側から見て、そうじゃないかと疑わせる部分の描写からのラストシーン、そして答え合わせ。やっぱりそうだったのか!と個人的には画面の前で笑みをこぼしました。

銀行員、毎月のノルマ大変ですよね……、本筋からは離れますけど不器用な部下の方への愛情に彼の人間味を覚えました。




★★★ Excellent!!!

 圧巻のノワール小説。ついつい主人公に肩入れして、その犯罪が成就することを祈ってしまいます。
 クソぉ、怪人シャーロックホームズ! あんた邪魔だよ! どっか行けよ! と何度思ったことか。
 それにしても銀行員怖ぇ……。人類最強ですよ。もう銀行員見る目が変わってしまいましたよ……w。

★★★ Excellent!!!

 ごく普通の銀行員であった主人公が、溺愛する妹のために犯罪に手を染めるクライムサスペンス。

 偉そうなことを言わせてもらうと、導入部からしっかりと読ませて、途中途中の盛り上がりは緊張感を下げることなく、「あっ」と驚く伏線に納得の解決編までもう呻き声を上げるしかありませんでした。完成度がすごく高いです。

 ネタバレになるのであまり言えませんが、このラストは僕はとっても爽やかな印象を受けました。こう来たか!好きなキャラは花火ちゃんです。主人公は、自分を「クズ」と度々貶めていますがそれはちょっと苦手でした。でも癖になりそうですw

 是非シリーズ化して欲しいです。また彼らの活躍が読みたい。文体もとても読みやすく、とても楽しめました。面白い物語をありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

読了しました。

基本路線はミステリー。
時に日常、時に人情、もちろん王道。
しかし推理小説にありがちな『完全犯罪感』は、これっぽっちもありません。

ミステリーのネタバレは致命傷なので詳細は伏せますが、
基本的にはアラとアナだらけの主人公。
思わず「おいおいそれ大丈夫かよ」と言いたくなる場面も多々あります。

しかし。

読者に先読みさせるべきところをしっかりと先読みさせ、
子供に計算ドリルの答え合わせでもさせるのかの如くページをめくらせるテクニックは、圧巻の一言です。

そしてレビュータイトルにも書きましたように、
分かりやすいチープさはパーフェクトなミスリードの上にあります。

想像通りのラストを得られる快感と、
想像の上を行くフィナーレへ導かれる快感。

これはつまり、作者神沢みぎとりさんの完全犯罪です。

★★ Very Good!!

比較的普通に生きてきた主人公が、妹のために犯罪に手を染めるミステリー。

これだけだとありがちな物語なのかなーと思うかもしれませんが、しっかり探偵が登場するんですね。

その探偵がまたくせ者で、私も読みながら(あれ? あれれ?)となりましたが、そういうことでしたか!

主人公が銀行員という職業を活かして大金をかき集めるのですが、その方法がものすごくリアルです。

これって銀行員なら実際に使えるのでは……などと危ない想像すらしてしまうほどに(笑)

もちろん、ミステリーの醍醐味である驚きのラストも用意されています!

ぜひ、一緒にハラハラドキドキしながら4億円をかき集めてみてください!

★★★ Excellent!!!

面白かった点を書いてしまうとネタバレになってしまうのが、本当に悔やまれる。
だから初めに断っておくと、私のレビューではこの作品を壊れるほど絶賛しても1/3も伝えられない。


丁寧な描写で、一人ひとりの個性を伝えてくる本作品。
主人公の神沢は、本当は真っ当で優しい人間なのにも関わらず、不慮の事故で重体の妹を救うために重大犯罪に手を染めてしまう。そこに現れたのが『怪人シャーロックホームズ』だ。
幸か不幸か優秀な銀行員だった神沢は、上司の命令でホームズを助ける補佐の役目を与えられる。自分が関わっている犯罪を解決するための補佐を。
これにより順調だった神沢の計画が、氷が溶けていくように少しずつ計画を瓦解させていく。
ドンドン追い込まれていく神沢。なぜか出先に現れるホームズ。
そして最後に語られる『この事件』のいく末は、読者の期待をいい意味で裏切ってくれる。
それはもう最高の形で、誰もが納得いくだろう展開で。


なお、この作品の作者はプロ作家です。
その肩書に恥じない最高の出来なので、ぜひぜひ最後まで読んで下さい。
絶対に損はしませんよ?

★★★ Excellent!!!

「続きが楽しみすぎて逆に読めない」という謎の状況に陥って幾星霜、ついに読み終えました!

いやー、良かった!
綺麗な終わり方だった。
粋だねー。
書いた人の腕を感じるラストだね。


ただ、あまり具体的に誉めることができない。
なぜならそれがネタバレになって、これから読む人が感じるであろう面白さが損なわれてしまうからた。

なんてこった。
誉めたいのに誉められない。
困った。

でも、1つだけ良い方法がある。
この作品をまだ読んでないあなたがこの作品を読んだら、あなたと私の間ではこの作品を誉めることができる。
そして僕は、より多くの人とこの作品の良さについて語りたい。

言いたいことは分かるね?


あ、でもこれだけは言える。
面白いから、読んでみて損は無いよ。

★★ Very Good!!

この小説を一言で表すと、このタイトルのようになります。
お仕事モノという括りになっているようですが、
いってしまえば罪を犯す側が主人公の犯罪小説です。

愛する妹を救うために、一か月で四億円を稼ぎ出すことになった兄。
銀行員という立場を最大限に利用し、あらゆる方法で金を集め始める。
最初こそはうまくいくと思ったものの、そんな彼の前に立ちはだかる謎の名探偵。

 怪人シャーロック・ホームズ――

シャーロック・ホームズは既にミステリの枠から飛びだし、
ホームズ自体がジャンルとして成立するほど、世間一般に認知された「名探偵」。
また、更にいえば古来より「探偵」と「怪人」は相対するものと宿命づけられています。
しかし、そんな怪人の名を冠して呼ばれる名探偵とは?

気になった方はこんなレビュー放っておいて読みましょう。

また、本編の中にきちんと伏線が用意されているので、読者もまた真相を辿ることができます。
悪く言えば真相も怪人もだいたい予想がついてしまうので、最後はもう少し強烈なパンチが欲しかったところ。
キャラクターの設定などもとっつきやすく、銀行などという言葉から連想される硬派で社会派な印象とは違った絶妙なエンタメ小説に仕上がっていますが、その分誤字などが残念。

しかし20話目のラスト近辺の展開は心躍るので、ぜひともそこまで最初から読み進めていただきたい。

★★★ Excellent!!!

主人公である銀行員が犯人役となり、妹を救うための金策に走る本作。

「ひょっとして一番犯罪しやすい職業は銀行員なのでは?」と思うほど、金に関わる情報へのアクセスが楽で、その過程で銀行員の仕事が見える、という面白いアプローチです。

そして倒叙ミステリだからこそ描ける、犯人の焦り・苛立ち・ぶっ飛んだ思考回路。妹を守りたいという思いに固執し、徐々に見えてくる狂気性がたまりません。

そして、同じ社会人として、「仕事なんて」「人生なんて」という嘆きにも思わず共感。

全ての事件が終わったかと思った矢先、終章は思いもしないベクトルへと向かっていきます。どうぞその目で確かめてみて下さい!

★★★ Excellent!!!


妹が交通事故に遭った、という報せ。救うためには、一か月で四億必要。
銀行員・神沢武志は、あらゆる手段を駆使して金策に走る。

両親を亡くし二人きりの兄妹、という背景があるので。
やってることは犯罪以外の何物でもない神沢にも、感情移入できてしまいます。
事件を捜査する探偵の登場にはハラハラし。
「邪魔するな」って気分になるけど、悪いことしてるのは神沢なんだよね……。
妹のため、であっさり良心のリミッターを振り切った神沢はすごい。
果たして彼は、期限までに4億を集めることができるのか。

そしてラスト……うわあああああ。
めちゃくちゃ面白かったです。

★★★ Excellent!!!

妹を助けるためには4億という大金を短期間に集める必要がある。

そのために、主人公がとった方法とは元暴力団の男と悪事に勤しむことだった。

着々と悪事を重ね、順調に資金をためていった主人公だったが。そんな彼の前にある日、一人の探偵が現れる。


悪事を重ねる主人公と。
その悪事の根源を探ろうとする探偵。

その騙しあい探り合い、手に汗握る展開が怒涛のように押し寄せます。

最後に勝利を手にするのは、いったいどちらなのか。
最新更新分まで読みましたが、続きが気になって仕方ありません!