第13話 追記。変な音。

 また、どうでもいい話を思い出してしまいましたので追記します。

 子供の頃、まだ音楽の録音がカセットテープだった時代の話です。うちにカセット付きのレコードプレーヤーが有りました。レコードを直接、カセットテープに録音できるプレーヤーです。

 私は、ある日の夜、雨の日で、夏になったばかりですが、Tシャツ1枚では肌寒かったように記憶しています。そんな憂鬱な夜に、気分を変えようと、レコードをそのレコードプレーヤーで、カセットテープに録音しました。

 そして、そのカセットテープを再生してみると、なぜかレコードの音楽が録音されていなくて、何かがズルズルと床でも這い回るような音が、延々と流れてくるのです。

 いままで、レコードをそのレコードプレーヤーでカセットテープに録音して、そんな事になったことはありません。

 レコードプレーヤーにカセットが付いているので、配線なども必要なく、ゆえに配線のミスの可能性はありません。

 絶対失敗しない録音のはずなのに、レコードの音楽ではなく、何かがズルズルと床でも這う音が流れてくるので、私は慌ててカセットテープの再生をやめました。

 ただでさえ肌寒い雨の日の夜。私は気味が悪くて、しばらくはそのレコードプレーヤーに触れませんでした。

 そのレコードプレーヤー、そんな変な音がカセットテープに録音されたのは、その時の一度だけです。あれは、なんだったのでしょうか?

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