物語風百人一首

作者 城花

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目次

連載中 全70話

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  1. 一【秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ】
  2. 二【春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山】
  3. 三【あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む】
  4. 四【田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪はふりつつ】
  5. 五【奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋はかなしき】
  6. 六【かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける】
  7. 七【天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも】
  8. 八【わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり】
  9. 九【花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに】
  10. 十【これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関】
  11. 十一【わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人のつり舟】
  12. 十二【天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ】
  13. 十三【筑波嶺の 峰より落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる】
  14. 十四【陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに】
  15. 十五【君がため 春の野に出でて 若菜摘む わが衣手に 雪はふりつつ】
  16. 十六【立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む】
  17. 十七【ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは】
  18. 十八【住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ】
  19. 十九【難波潟 みじかき葦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや】
  20. 二十【わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ】
  21. 二十一【今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな】
  22. 二十二【吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ】
  23. 二十三【月見れば 千々にものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど】
  24. 二十四【此のたびは 幣も取りあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに】
  25. 二十五【名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな】
  26. 二十六【小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ】
  27. 二十七【みかの原 わきて流るる いづみ川 いつみきとてか 恋しかるらむ】
  28. 二十八【山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば】
  29. 二十九【心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花】
  30. 三十【有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし】
  31. 三十一【朝ぼらけ 有明の月と みるまでに 吉野の里に ふれる白雪】
  32. 32. 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり
  33. 33. 久方の 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ
  34. 34. 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
  35. 35. 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける
  36. 36. 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ
  37. 37. 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
  38. 38. 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
  39. 39. 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
  40. 40. しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
  41. 41. 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
  42. 42. 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは
  43. 四十三【逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり】
  44. 四十四【逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし】
  45. 四十五【あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたずらに なりぬべきかな】
  46. 四十六【由良の門を 渡る舟人 かぢをたえ 行方も知らぬ 恋の道かな】
  47. 四十七【八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり】
  48. 四十八【風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな】
  49. 四十九【御垣守 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ ものをこそ思へ】
  50. 五十【君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな】
  51. 五十一【かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを】
  52. 五十二【明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな】
  53. 五十三【歎きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る】
  54. 五十四【忘れじの 行く末までは 難ければ 今日を限りの 命ともがな】
  55. 五十五【滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ】
  56. 五十六【あらざらむ この世の外の 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな】
  57. 五十七【巡り逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな】
  58. 五十八【有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする】
  59. 五十九【やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて 傾くまでの 月を見しかな】
  60. 六十【大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立】
  61. 六十一【いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな】
  62. 六十二【夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ】
  63. 六十三【今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな】
  64. 六十四【朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木】
  65. 六十五【恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ】
  66. 六十六【もろともに あはれと思へ 山桜 花より外に 知る人もなし】
  67. 六十七【春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ】
  68. 六十八【心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな】
  69. 六十九【嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり】
  70. 七十【寂しさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこも同じ 秋の夕暮れ】