第12話 ノートカバー
日曜日。仕事は休みだが、いつまでも寝ているわけにはいかない。
今朝はサラダを朝食とした。
それから、今日は何をしようかと考えてみる。最近は、ノートカバーを作っていないから、それを作ることにした。
まずは、クラフト紙を適当な大きさに切って、書店でかけてもらえる紙のブックカバーの要領で、ノートカバーを作る。そのカバーをはずしてから、マスキングテープを貼り付けるのだ。わたしは、ミニサイズのノートを使っている。百円ショップで、三冊入って百円で売られているノートだ。このカバーをつけていると、そのまま使うよりも、愛着がわいて長く使えるというメリットがある。ここは細いテープがいいかなとか、クロスさせるように貼ったらどうなるのかなとか、わたしはマスキングテープを思いつくままに貼り付けていく。楽しい作業で、三十分くらいかけて、一枚のノートカバーが出来上がった。
実際にノートにつけてみる。思っていたよりも、派手にできてしまった。とりあえず、これはこれで完成とする。そして、最後の仕上げとして、文庫本用のカバーとして市販されている透明のカバーをノートにかける。ちょっとだけ、縦のサイズが大きい気がするけれど、だいたい合っている。この透明のカバーも百円ショップで売っていた。十二枚入って百円だから、たぶん安いほうなのだろうなと思う。
ノートカバーを作るのは、何冊目だろうと考えた。今日、作った分が四冊目で、今使っているノートが三冊目の気がした。
メモとして使っているのに、もうそろそろ四冊目が必要になるのだなと思う。
手帳を開いて、予定を確認してみても、今までは仕事と家の往復だった。
そこに、翔さんとの予定が入ると、今までの日々が退屈なものだったと気づく。そして、翔さんと出会ってから、まだ一ヶ月も経っていないという事実にも気づいてしまった。もう、ずいぶん前のことのように思えていたから、意外だった。
今日もほうじ茶を飲もうかしらと思い、わたしはキッチンへと向かった。
お湯を沸かしているときに、明日になれば、また会社なのかと思った。会社で飲むお茶のティーバッグを、明日は忘れずに持っていこうと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます