妄想女子は夢を見る

作者 Zooey(ゾーイー)

30

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★★★ Excellent!!!

これが好き。
それをやってみたい。
あれが欲しい。
誰がなにを好もうと、強奪するのでもなければそれは自由のはず。

例えば好きになりかけたものを「こんなことも知らないのか」なんて言われれば萎えてしまう。
例えば好きになる相手を、こうでなくてはならないと決められては、心は燻ってしまう。

逆境に抗することは必要かもしれないけれど、世界は、人は、あえてそれを用意してはいないだろうか。
それで挫けた人を、蔑んではいないだろうか。

なりふり構わずに『好き』を追い求める人。
その重さを考えもせずに、それはおかしいと価値観を押しつける人。

あなたはどちらの立場に立つのだろう。

私は前者を応援して、進んで道を空けられる位置に立っていたい。

★★★ Excellent!!!

主人公は繊細な悩みから、長年自分自身と上手く向き合えずにいた。そんな彼女はSNSの中で偽りの自分を演じ、そこで親しくなった女性との関係に居心地の良さを感じるようになっていく。
ジャズを通じて心を通わせ距離を縮めていく二人だったが、相手もまた自分と似たところのある女性であった。
人の人生を知り自分をそこに重ねた時、主人公は大切なことに気がつき、ありのままの自分自身を受け入れる勇気を持ち始める。
楽しいことばかりではない人生に逃げ込む場所は必要でしょう。でも、居場所は現実の世界にもきっとある。
繊細な心の動きをジャズという素材と洗練された文章で、美しく語りかけてくれる作品です。

★★★ Excellent!!!

ジャズとSNSという、一見無関係に見えますが、この物語の重要なキーワードです。
主人公の女の子には、誰にも言えない秘密がありました。
そのため交友関係も広くなく、ある日SNSを通じて友人ができます。そして、ジャズの世界を教えてもらいます。
淡々とした描写はストレスなく読み進められますが、行間に隠されたテーマは決して軽くはありません。
誰しも偽りの心を、密かに抱いております。今作に登場する四人の人生観を、ジャズをバックに目をつむって想像してみると、またあらたな発見ができるかもしれません。
ラストは驚きながらも、なんだか嬉しくなりました。

★★★ Excellent!!!

リアルを偽ってのSNSでのあるふたりの出会い。
いろいろなことを偽っているけれど、ふたりの言葉はそれぞれの心に沁みこんでいく。

やがてふたりが会う約束をして知ることになる真実。

SNSでの偽りの出会いは現実では事件にもなったりして非難されがちですが、この作品のように人を前に向かせることもできるんだと思いました。

生きにくいリアルを救ってくれるSNSの世界や妄想の世界。
その救われた世界からまたリアルに戻ってくる。
勇気を携えて。
それで頑張って生きていこうと思えるのなら
「妄想して夢見る」ことはアリなのかもしれません。


★★★ Excellent!!!

幼なじみの同性にほのかな想いを寄せる主人公は、SNSで性別を偽り知り合った年上の女性に悩みを打ち明ける。
その女性にも主人公に打ち明けられない秘密が……。

主人公の心情と女性を想う旦那さんの心情。それはあまりにも切ない現実……。

夫婦の愛や性別を越えた人間愛。
主人公の葛藤と成長が丁寧に描かれ、愛とは何かを考えさせられる深い作品です。

★★★ Excellent!!!

zooeyさんの文章は、主人公の心理に切り込んでいくのが特徴だと思いますが、登場人物の悩みと成長とが表現されています。
……えっと正直に言って、『梅雨明けの、空の下』よりこっちの方が好き。

一つの完成された作品です。欠点らしい欠点は、私には見つからないです。

SNSとリアルの狭間に、主人公の悩みがうまく表現されています。
SNSでの友人との出会いを通して、成長していく主人公。
そして、SNSからリアルへと。

全体が優しい空気に包まれているように感じられました。
……うん。好き。こういう小説。(*´∀`*)
皆さんにもお薦めします。