12月27日 ピーターパンの日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。




 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 本日2017年12月27日は『ピーターパンの日』である。


 諸君らの大半はディズニー映画のピーターパンを思い浮かべたかもしれない。本日ピーターパンの日は、1904年のこの日、イギリスの劇作家ジェームス・バリーの童話劇『ピーターパン』がロンドンで初演された事を記念し制定された一日である。


 恥ずかしながら実は私もディズニー映画のピーターパンしか知らない。しかもかなりうろ覚えである。

 確か大人にならない、永遠の少年であるピーターパンがネバーランドでフック船長やティンカーベルなんかとなんやかんやする話であった。話が思い出せないのは私が大人になってしまったからなのだろうか。


 今軽くあらすじを読んできたところ、ピーターパンは自分の影を失くし、孤児たちの母親を探しにロンドンを訪れたんだそうだ。




 ……?



 そんな話だったっけ?




 私は子供の時に何度も何度もピーターパンを見たはずである。だがしかし、今となってはまるで話を思い出せず、あらすじを読んでも全然ピンときていない。

 子供の時の私と今の私は同一人物。だがしかし、実際に面と向かって話してみればそこに共通点などなく、まるで赤の他人の様に分かり合えないのかもしれない。


 だがしかし、言い換えれば人は良くも悪くも買われるという事でもあると私は考える。果たして、老人になった私は今の自分からどう変わっているのか。すこし怖いと思う反面とても楽しみだ。




 今日はピーターパンの日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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