　やあやあ諸君。

　私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。

　諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

　私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。

　本日2017年9月26日は「ワープロ記念日」である。

　ワープロ記念日は1978年のこの日、東芝が世界初の日本語ワープロ「JW-10」を発表した事を記念して制定された一日である。

　今では小学生すらもできるワープロ入力。だがしかし、今となっては信じられない話ではあるが、私が小学生の頃にブラインドタッチでもできようもんならパソコン超上級者としてあがめられたものだった。

　ワープロどころかパソコンの電源の入れ方、切り方すら正しく出来る人が少なく、よく小学校のパソコンの授業で本体のスイッチを長押しして強制的にシャットダウンさせ、怒られていたのを思い出す。

　日本語でキーボード入力をしている人が大半だろうが、キーボードならば多くの日本人がローマ字入力を使っている事だろう。一応キーボードというものはひらがな入力にも対応してあり、マスターすればそちらの方が全然早いだろうが、慣れるのはやはり至難の業だ。

　やろうと思えば韓国語、アラビア語なども入力できるわけだが、その際、どこにどんな文字が配列されているのだろうか。まるで想像もつかない。

　文字を書くことを趣味としている私は、ブラインドタッチなどお手の物だが、それでも筆が進まなかったり、エタったり、思う様に打ち込めない時がある。そんな時はキーボードをじっと見つめてみる。目の前にあるボタンの集合体。そこから生まれるのは無限の世界。ほら、また書けるような気がしてきた。(書けるとは言ってない)

　今日はワープロ記念日。特別な一日である。

　我々は本日を祝福し、過ごさねばならないだろう。