7月27日 スイカの日

 やあやあ諸君。

 私の名は塚本。塚本ジュリエッタと申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 夏こそスイカ。本日2017年7月27日は「スイカの日」である。


 スイカの日はスイカの縞模様を網に例え、27《つな》の語呂合わせの元制定された一日である。だが、緑の地に黒い縞模様の、現代の一般的なスイカが広まったのは昭和初期の事であり、それまでは黒一色のスイカこそスイカであった。


 諸君らはスイカはお好きだろうか? 夏を代表する果物であり、これを食べれば即座に夏を実感できることだろう。緑と黒の縞模様。中を除けば赤い果実。何とも奇妙な配色である。


 ところで、目隠しをしてスイカを割るスイカ割と言うゲームがある。諸君らも一回くらいはやったことがあるのではないだろうか。だが、それは恐らく公式ルールにのっとったものではないだろう。


 JAが設立した「日本すいか割り協会」が制定したスイカ割公式ルールによると、JSWA 公認の手ぬぐいで目隠しをして、競技者の目の前に一万円を落とし見えているか否かを確認するそうだ。使用するスイカは国産のよく熟れている物に限られ、綺麗に真っ二つになった状態を満点とし、割れた状態を見て減点方式によって採点される。また、審判員はその年のスイカを10個以上食べてなければならないと言った厳しい制約がある。


 一方、日本すいか割り推進協会認定版の公式ルールでは国産スイカと言う点では同じだが、スイカに当たる事により加点される採点が採用されている。また、審判員はスイカの質問五問に三問以上答える必要があり、並みならぬ知識を要求される。


 昔、新宿駅で駅の改札口にスイカをタッチしていた男を私は見たことがあるが、彼がユーチューバーだったのかどうかは定かではない。




 今日はスイカの日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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