3月19日 カメラ発明記念日
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
遠い昔の先人たちは考えただろう。今の風景を目にしたまま残せたらどれだけ幸せだろうか。歴史上の偉人たちは自分の姿を後世に残そうと絵に残してきた。だが、どれだけ高名な画家が書いた物でも現実の姿とは少し違って写る。時は経ち、写真を撮る事によりそれが、いとも簡単に出来るようになったこの時代。写真が撮れるようになれば、画家の仕事は無くなりそうなものであるが、実はカメラを発明したのはある画家である事をご存じだろうか。本日、2017年3月18日は『カメラ発明記念日』である。
カメラが発明されたのは1839年、フランスのルイ・マンデ・ダゲールと言う画家によるものであった。彼の発明した写真機はダゲレオタイプと呼ばれ、長時間露光させるため写真機の前で長い間じっとしていなければならなかったが、それでも革新的な発明に人気は高まった。
さて、諸君らが初めて手に入れたカメラはどう言うものだっただろうか。この質問は諸君らの年齢を推測するに充分な質問である。本格的な一眼レフなどを挙げる者はかなり年配の方であるだろうし、携帯に付属されているカメラであれば若いイメージを受ける。対して私が初めて手に入れたカメラとは、任天堂より発売されたゲームボーイのソフト、『ポケットカメラ』であった。
ポケットカメラは、ゲームボーイに差し込むことにより、まるでデジカメの様に写真を撮ることが出来、それを画面に映すことのできるソフトである。当時の私は白黒で、画素数が悪かったとはいえ、初めてのカメラにえらく興奮したものである。無我夢中で周囲を取りまわったのを覚えているが、このゲームに一つ納得いかなかったことがある。
それはこのゲームのエラー画面にある。ポケットカメラはただのカメラにあらず、撮った写真にスタンプを押したり、フレームを付けたりと、今では当たり前だが、当時は画期的な、まさに子供の遊び心を惹く事に全力を尽くした任天堂らしい機能が付け加えられていた。そして、このゲームでエラーを出すとスタッフの写真に落書きを施したトラウマ必至の画像が出てくるのである。
発売から20年以上経つポケットカメラであるが、ネットで調べると、やはり私以外にもそのエラー画面がトラウマとなっている人が多いらしい。興味のある方は一度調べてみるといいだろう。
このスタッフも今ではこの姿より20も齢を重ねている。楽しい思い出をいつまでも残す事の出来るカメラ。私達は気軽にそれを扱える事に、もっと感謝すべきなのかもしれない。
今日はカメラ発明記念日、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
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