48 くらげ、紙、はがす
壁に貼られた張り紙を剥がしていく。壁際についている棚の部分には水槽があり、中ではクラゲが数匹漂っている。こいつらもそろそろ片付けなくてはならない。この一年間ここで積み重ねてきたものは、すべて捨てるか持って帰る。手に持った紙をパラパラめくっていく。テスト上位者、兵庫の募集、冬休み、スキー教室。色々あった。
「まあでも、来年もあるんだよな」
そうだ。まだ来年も、再来年も、同じことの繰り返し。別に気にやむことじゃない。クラゲもあいつらも、一ヶ月もすればまた会える。なのにどうして、俺はこの手に持った紙を捨てるのをためらっているのだろう。
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