42 空、作家、テープ

 ある日空からいろいろなゴミが降ってくるようになった。降ってくると言っても不思議なことに、落ちてくる途中ではそれに触れることはできない。どこぞの3流作家が考えるようだが、ホログラムのようになっているのだ。そして着地すると実体化する。空に舞ったりぶつかって怪我をすることはないものの、視界を遮るし、テープ状のものが絡み付いたりするので、雨や雪とは比べ物にならない。

 特に迷惑なのは腐りやすい生ものが降ってきた日だ。トマトや魚が降ってきた時にはあたりに飛び散った肉片や果汁が次の日からいような臭いを発し始める。さらに乗り物の窓にモノが落ちると危険なのですぐに降りなくてはならない法律までできた。

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