第642話御前にて人々とも(3)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
中宮様のお心遣いには、私は天にも昇るような気持ち、何とお返事申し上げていいのやらとなってしまって、
「『かけまくも かしこき神の しるしには 鶴の齢と なりぬべきかな』
(口に出して申し上げることなど、とても畏れ多い神(紙)のご利益で、鶴のように千年も齢にと伸びそうでございます)
とすれば、いささか大袈裟に過ぎるでしょうか、と申し上げてください」と書いて差し上げました。
台盤所の雑女が、今回の御使いに来たのです。、
青い綾の単衣を禄に与えるなどして、御使いを帰したのですが、本当にこの素晴らしい紙を草子等に使ったりして、大はしゃぎです。
そんなことをしていると、悩みごとなどは紛れてしまって、我ながらおかしく思いました。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :素晴らしい紙と、中宮様の優しい御言葉ですね、気分転換のポイントは。
清少納言先生:それはありがたいことです、舞い上がってしまいました。
※確かにうれしさにあふれた清少納言の文と思う。何が原因で落ち込み、私邸に戻っていたのかは別として、やはり中宮定子と清少納言は、何か求めあうものがあったのだと思う。
※御前にて人々とも(4)に続く。
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