第638話うれしきもの(7)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


何かの催し物の際に、新調する衣服を打たせるように頼み、出来栄えを期待していたところ、申し分なく立派に出来上がって来た時は、うれしいものです。

刺櫛を磨きに出して、見事に仕上がって来たのも、またうれしく思います。

そのようなことは、他にも様々にあると思われますが。

ここ何日か、あるいは何か月も病状が重くて、ずっと寝込んでいた人が、すっかり回復することは、うれしく思います。

そして、その人が、自分が心を寄せる人のことであるならば、自分のこと以上にうれしく思います。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :刺櫛を磨きに出すとは?

清少納言先生:女性が髪に刺す櫛の蒔絵とか螺鈿の部分を磨いて、キラキラとさせるのです。

舞夢    :信頼できる職人に頼み、期待していた、あるいは期待以上に仕上がって来ると、うれしいということになりますね、よくわかります。


※うれしきもの(8)に続く。

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