第633話うれしきもの(2)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


尊いお方の御前におり、また大勢の人も一緒に伺候をしている時に、昔話や、最近お耳に入って話題になっているようなことなどをお話される際に、私(清少納言)の方に、視線を向けられておられる時は、格別にうれしく思います。

遠く離れた場所の場合、また同じ都の中であっても離れ離れに住んでいる場合に、私が大切に思っている人が体調を崩したという話を聞くと、どのような状態なのだろうか、どうなるのでしょうかと不安に思うのですが、その人が全快したという話を聞くと、格別にうれしく思うのです。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :注目されている、あるいは認められているのではないかという、うれしさと、大切な人が苦難を乗り越えたという安心感でしょうか。

清少納言先生:はい、ひと際、うれしいものがあります。


※うれしきもの(3)に続く。



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