第618話いみじうしたてて婿に取りたるに(1)
清少納言先生:今日は意を尽して婿にと迎えた後のお話です。
舞夢 :了解しました。訳をしてみます。
意を尽して娘の婿にと迎えたけれど、いつの間にか娘から離れて行ってしまった男は、外で舅、つまり娘の父親の顔を見た時に、申し訳ないことをしたなどと思うものなのだろうか。
一人の男が、相当に時運に恵まれた人の娘と結婚はしたものの、たった一ヶ月の間でさえ、しっかりと通ってこなくて、とうとう縁が切れてしまった。
そんなことになってしまったので、婿に去られた家では、何かにつけて、それを話題にして大騒ぎになる。
特に娘の乳母の中には、その婿を呪うような言葉を言う者もいる。
しかし、そんなことには関係なく、次の年の春には、その婿殿は蔵人に抜擢された。
「『信じられない、妻を捨てるような男なのに、何故、蔵人に抜擢されたのだろうか』と、舅たちは思っている」そんな噂もあるけれど、当の婿も耳に入っていることだと思う。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :そんなこともあるのですねえ。
清少納言先生:よほど、娘と合わなかったのか。
舞夢 :それでも蔵人に出世したのですから、もっと良い縁が見つかったのでしょうか。
清少納言先生:そうですね、求められるほどの婿ですから。
※いみじうしたてて婿に取りたるに(2)に続く。
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