第591話一条の院をば今内裏ばとぞいふ(2)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
御笛を吹き終えて、高遠様が御笛についてお話申し上げなさる様子など、格別素晴らしいことと拝見いたします。
御簾のもとに集まって、その端近くで拝見する折りなどは、「芹摘みし」などと歌われているような感想を抱くことなどありませんでした。
さて、すけただは、木工の允から蔵人になった人物。
相当な乱暴者で、嫌われ者なので、殿上人や女房たちは「あらわこそ」と、あだ名をつけていると、それを歌につけて、「二人とない御方、尾張の人の筋を引く由」と、節をつけて歌っています。
それというのも、彼は尾張の兼時の女が産んだ子だったからです。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :まず、「芹摘みし」とは?
清少納言先生:「芹摘みし 昔の人も わが如や 心に物は 叶はざりけん」の古歌からです。不遇であるとか、不如意つまり仮内裏であることの、不満などはないということです。
舞夢 :木工の允は、木工寮の三等官、つまり位が低かったのですね。
清少納言先生:その通りです。「あらわこそ」は、「あけすけさん」という意味。とかく嫌われておりました。
※一条の院をば今内裏ばとぞいふ(3)3に続く。
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