第584話社は(4)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


さて、この中将は本当に親孝行な息子だったのです。

「遠く離れた場所に住まわせるようなことなどは、いたしません。一日に一度も顔を見ないなどということはできないでしょう」と言い、世間には隠して家の床下に穴を掘って部屋をこしらえて、両親をそこに隠れ住まわせ、中将自らお世話をするのです。

そして、近隣の人々にも、朝廷にも

「私の両親は何処かに行ってしまいました、姿を見せなくなりました」と知らせているのです。

そもそも、どうしてこのような禁令が必要となったのでしょうか。

家の中に籠って、ほぼ外出をしないような老いた親たちのことまで、神経を尖らせなくてもよいものを、本当に嫌になる世の中だったのです。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :なかなかの孝行息子にして、知恵者ですね。

清少納言先生:そうですね、まだまだ話の続きがあります。

舞夢    :はい、楽しみです。


※清少納言「枕草子」にしては珍しい説話。

※社は(5)に続く。

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