第572話よろづのことよりも(5)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


斎院のお乗りになられた輿がお通りになります。

沿道で見物をしている人々の車の全ては、轅を榻から下して、敬意を表します。

斎院のお乗りになられた輿が、お通り過ぎになると、先を争って轅を上げている様子も、なかなか面白いものがあります。

その前に停めている車に対しては、強く禁止されているはずなのに、車副の者は

「何故、停めてはいけないのでしょうか」と言い張り、無理やり車を停めてしまうので、その車副の者を相手に説明するのも面倒になってしまいます。

そのため、車の主に対して直接言葉をかけようと思うのですが、それがどのような結果となるのか、面白くもあります。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :祭り見物の陣地争いでしょうか。

清少納言先生:その通り、みな、良い場所を取ろうと、懸命です。


※現代でいうならば、ディズニーランドのパレード見物の陣地争いなのだろうか。

 今は、それほど身分差はないけれど、当時は身分差の強い時代。

 なかなか、簡単に見物場所を取ることはできなかったようだ。

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