第554話五月ばかりに山里などありく(2)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


通り道の左右の生垣に生えている何かの木の枝が、時々牛車に屋形に入ってきてしまうのを、急いでつかんで折ろうとするのですが、牛車も動きが早くて、すぐに通り過ぎて手からはずれてしまうのが、本当に悔しいものなのです。

それと、牛車に押しつぶされたヨモギが、車輪が回るのに伴って、ごく近くまで匂いが漂ってくるのも、なかなか面白いものがあります。


清少納言先生:はい、お疲れ様でした。

舞夢    :なかなか、楽しい道中なのですね。

清少納言先生:ついつい、いろんなことに反応してしまいます。



なかなか、宮中の人目が多い場所では、これほどの反応も困難なのだと思う。

素直に行楽を楽しむ清少納言も、ほほえましく感じる。

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