第545話見物は(3)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


行幸に肩を並べるものなど、他に考えられるのでしょうか。

帝が御輿にお乗りになるのを拝見しておりますと、私が朝夕にお側近くに侍り、お仕え申し上げているお方とは思われないほど、神々しくご立派で素晴らしいのです。

いつもなら、何とも思わないような、何某の司ですとか、姫もうち君などという御供の女官まで、さも立派で見違えてしまうのです。

御綱を取る中将や少将も、格別に素晴らしく見えます。

それでもなおかつ、近衛の大将は、他人の誰よりも優れて素晴らしく見えます。

その意味で、近衛府の面々は、当然何といっても、素晴らしいのです。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :さて、何某の司と姫もうち君とは?

清少納言先生:帝の行幸に供奉をする内侍司以外の、後宮十二司の女官です。身分としては、低いのですが、この時ばかりは輝きます。

舞夢    :やはり、行幸で輝く中で、近衛府もまた格別なのですね。

清少納言先生:はい、注目を浴びるのです。御輿の直近ですし。


※見物は(4)に続く。




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