第493話宮にはじめて参りたる頃(16)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


清少納言

「薄さ濃さ それにもよらぬ 花ゆえに うき身のほどを 見るぞわびしき」

(中宮様をお慕いする心の薄さとか濃さは 花などとは関わりがないのに その花のために 中宮様のご気分を損ねてしまった憂いに包まれた自分の立場が わびしくてなりません)

と、書いて使いのものに渡し、

「この思いだけは、是非取り繕って申し上げてください、式の神様とて、自然にわかってくれると思います、嘘をつくなど、恐れ多いことなので」

と差し上げます。

しかし、それにしても、本当に嫌な思いでした。

よりによって、あの場面で何故くしゃみなどしたのでしょうか、本当に情けなく思います。


清少納言先生:はい、お疲れ様でした。

舞夢    :なかなか、気苦労の多かった時期なのですね。

清少納言先生:そうですね、さすがに中宮様にお仕えすると、神経を使います。

舞夢    :先生はだいたい、三十歳頃、中宮様が十八歳頃ですね。

清少納言先生:はい、冬の時期、それで雪もちらついたのです。

舞夢    :中宮様とのお手紙のやりとり、なかなか面白いですね。

清少納言先生:中宮様の気配りに、答えたくて懸命でした。

舞夢    :鼻からでるくしゃみを、花に変えるなど、さすがと思います。



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