第469話宮仕へ人などの里なども(5)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


召使いの門番が、用心のために屋敷のあちこちを見回るのですが、すでに夜も明けるような時間になるのを見て、お客様がここまで長居するのは、ほとんど有り得ない特別なことだと思い

「これは、どうしたことなのでしょうか、御門が不用心にもだらしなく開いたままになっています」

など、お客様の耳に聞こえてしまうほどの声で言って、不機嫌そうに明け方になってから門の錠をおろしているような有様は、限りなく腹が立つものがあります。

それでも、実の親と同居の場合は、まだ救われます。

しかし、実の親ではない関係の場合になると、家の人がどのように思うかなど考えるだけで、遠慮というものがでます。

男兄弟の家に住んでいる場合でも、仲がよくなければ、同じような遠慮がでると思う。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :無神経な使用人もいるのですね。

清少納言先生:泊り客は気にする人も、いない人もあるかもしれない。

舞夢    :問題は気にされて、通ってこられなくなることでしょうか。

清少納言先生:そうなると、世間の聞こえも、よろしくなくなります。


宮仕へ人などの里なども(6)に続く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る