第446話弘徽殿とは閑院の左大将の女御ぞを聞ゆる(4)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


私(清少納言)は、

「そのような悪意があって他人に言わせるようなことなど、私は何もしておりません、他人がそんなことを言うのに対しても、感心はできません」

と、答えて、源の中将様の前から立ち去りました。

すると源の中将様はいつまでも

「人に恥をかかせるようなことを、わざと言った」

と怨まれ

「あのような言い方をすれば殿上人たちも、笑うのだろうと思って、おっしゃったのでしょう」

とまで言ってくるので、

私は

「そのようなお考えを持たれるのなら、私一人を怨む理由にはなりませんよ、全くあなたのお気持ちが理解できません」

と、答えました。

その後は、源の中将様とは、音信も途絶え、交際もなくなりました。


清少納言先生:はい、お疲れ様でした。

舞夢    :結局、源の中将宣方様は、清少納言先生が遠回しに言った「うち臥し」が気になったのですね。

清少納言先生:実際は、散々、その女の所に通っておられて、宮中でもかなりの噂。

務めるべき仕事もせずになのですが、女房たちも呆れておりましたので。

それにも関わらず、この私にも、しつこく言い寄ってくるものだから、ピシャリと。

舞夢    :源の中将様は、自業自得とはいえ、哀れな感じですね。

清少納言先生:まあ、私は、あの人には興味がなかったので。


無粋でありながら女性にはしつこい男が、清少納言に軽くあしらわれて、落胆、最後には音信不通とまでなる。

そのような話と理解した。

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