第422話心もとなきもの(1)

清少納言先生:今日は、心もとなきもの、つまり心配でならないもののお話です。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


心配でならないもの。

他人の所へ、急ぎの縫い物を頼み、今か今かと心配でならない気持になって座り込み、着物を持ってくる方向を見守り続けている時。

出産を控えた人が、予定日を過ぎるまでに、全くその気配も見せない時。

遠方から届いた恋人からの手紙を手に持ち、そのしっかりとした糊付けを開くまでの間は、心配でならなくてドキドキします。

見物に出かけようと思っていたのに、出発が遅くなってしまって、ようやく出かけたら、行列がすぐ近くにきている時。

すでに先頭を進む検非違使の白杖が目に入るのですが、車を桟敷に寄せなければならないので、その時間のじれったさから車など降りてしまって歩いていきそうな気持になります。

自分がいることを知られたくないので、側の人に言って欲しいことを伝えて、挨拶をさせている時。

生まれるまでは、早く生まれないかと思っていたけれど、ようやく生まれて五十日、百日などの祝儀を迎えるようになった時、やはり将来までの無事が心配になります。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :これも、本当にわかりやすい話ですね。

清少納言先生:もどかしいとか、すぐに結果をしりたい場合もありますし、将来を気にする場合もあります。


心もとなきもの(2)に続く。

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