第367話円融院の御果ての年(5)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
そうすると帝が
「この近くで見たような色紙にそっくりだ」
と、微笑みなされ、御厨子の中から、もう一通御手に持たれて、さし示されたのです。
藤三位は
「もう、なんとも情けなく恥ずかしいことになりました」
「どういう事情があったのですか」
「こんないたずらをなさるなんて、頭が痛くなってきました」
「どうしてもすぐにでも理由を知りたいのです」
と、何度もお願いをするのですが、帝はなかなか教えてはいただけません。
藤三位が、がっかりしていると帝はとうとう笑いだしてしまいました。
それでも、帝は少しずつ事情をお話しになられます。
「お使いの鬼童は、台盤所の刀自という者の所にいたのを、小兵衛が上手に連れ出して行かせたのでは」
とおっしゃるので、中宮様もお笑いになられます。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :帝のいたずらだったのですか。
清少納言先生:真面目な女房をからかうのも、なかなか楽しかったようで。
舞夢 :中宮様もからんでいたとか?
清少納言先生:はい、おそらく。
円融院の御果ての年(6)に続く。
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