第359話頭の弁の、職に参り給ひて(6)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


行成様とのお話があった数日後に、経房の中将がおいでになりました。

経房の中将は

「頭の弁の行成様が、清少納言様を褒めちぎっていることをご存知ですか」

「先日も、私へのお手紙の中で、行成様と貴方様とお交わしになられたお話が書いてありました」

「好感を持っている人が、他の人から褒められるのは、本当に嬉しく感激します」

などと真顔で言ってくるので

私(清少納言)は面白く感じます。

「嬉しいことが二つ続きました。頭の弁の行成様のお褒めの言葉に続いて、そのうえ貴方様に好感を持たれる人の仲間に入っているとは」

と応えると

経房の中将は

「それを珍しく、今さら、お喜びになるとは」

と、おっしゃるのです。


清少納言先生:はい、お疲れ様でした。

舞夢    :経房の中将とは?

清少納言先生:弟のような感じです、とにかく仲良しでした。

舞夢    :しかし、会話が面白いです。

清少納言先生:そうですね、並の関係ではできない会話です。



確かに、歴史に残る文筆家同士の会話、中身も貴重に思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る