第341話九月ばかり、夜一夜(1)
清少納言先生:今日は九月のお話です。
舞夢 :了解しました。訳をしてみます。
九月頃、夜通し降り続いた雨が、朝になるとやんでいます。
朝日が本当に鮮やかにさしはじめ、葉をつたってこぼれるばかりの露が太陽の光に輝く様子などは、本当に感動してしまいます。
また、前栽の草木が雨で濡れそぼっているのも、本当に趣があります。
透垣の羅文や軒先には、蜘蛛がつくった巣があります。
その蜘蛛の巣が破れて残ったところに、雨粒が白い玉を貫いたようになっているのは、とてもしみじみとした趣と美しさを感じます。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :これはわかりやすいですね。
清少納言先生:なんともない様子だけれど、そういうものにも素敵なものを感じます。
※旧暦の九月なので、晩秋になる。
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