第322話恥づかしきもの(1)

清少納言先生:今日から、恥づかしきもののお話になります。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


恥ずかしく、いたたまれない気になるもの。

色好みに長けた男の、女に対する考え方。

わずかな物音で目を覚ます夜居の僧。

こそ泥が姿を他の人には気づかれない場所に身を隠している場合で、自分たちの様子を見ていることなど、誰が気がつくだろうか。

それに気づかず、闇にまみれて、懐に何かを隠す人もいると思う。

そういうことを目にしたこそ泥は、盗みを働く者同士として、共感を覚えるのだろうか。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :夜居の僧について教えてください。

清少納言先生:加持祈祷のために、夜間近侍する僧になります。

舞夢    :こそ泥の話は、初耳です。

清少納言先生:実際は見たことがないけれど、物がときどき無くなるので、こそ泥なのか、こそ泥にかこつけて物を盗む人がいたのです。


恥づかしきもの(2)に続く。

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