第285話殿上より、梅の

清少納言先生:今日は、殿上より梅ののお話です。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


殿上の間から、梅の花が全て散ってしまった枝を見ている人がいて

殿上人

「この様子を見て、どう思われますか」

と聞いてきたので

私(清少納言)は、ただ一言

「早く散りにけり」と答えました。

すると黒戸に本当に多く控えている殿上人が、原詩を吟じているのを、帝がお聞きになられて、

帝は

「少々の気がきいた歌を詠んで答えてくるよりは、このような答え方のほうが面白い、なかなか頭を使っての返事だと思う」

とおっしゃられました。


清少納言先生:はい、ご苦労様。

舞夢    :「早く落ちにけり」は、和漢朗詠集からなのですか。

清少納言先生:大江維時の「大臾嶺の梅は早く落ちぬ。誰か粉粧を問はん」をひきました。下手に歌で返すよりは、いいかなあと。

舞夢    :その歌を殿上人も帝も、全てわかったのですね、さすがです。



清少納言先生は、得意満面です。

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