第258話五月の御精進のほど(14)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


雷の音は、本当に長い間続きました。それが少々小さくなり、外も夜になってきました。やはり、今すぐにでも返歌を差し上げようと思いまして、硯の向かっていたのですが、人がたくさん、上達部も雷見舞いと称してお見えになったのです。

そして西向きの部屋の端付近で、よもやま話をしていると、返歌を書くのを忘れてしまいました。

他の女房たちも、名指しで受け取った人が何か返事をするだろうと思って話題にもしません。

私(清少納言)も、きっとホトトギスの歌を詠むのには、縁がない日だったのだろうと思い、がっかりしています。


五月の御精進のほど(15)に続く。

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