第215話めでたきもの(1)
清少納言先生:今日からめでたきものの話になります。
舞夢 :了解しました。
すばらしく感じられるもの。
唐錦。
飾り太刀。
作り仏の木絵。
松の木に絡んでいる藤の花で、花の房が長く咲いている状態。
六位の蔵人。相当家柄や血筋がすぐれている君達であったとしても着ることが出来ない綾織物を、六位の蔵人が思いのままに着ている青色姿は、本当に素晴らしい。
蔵人所の雑色や家柄はそれほどでもない子供が、高貴な家の侍者や、四位五位で官職に就いた人に仕えると、特に目立つはずがないのだけど、蔵人になった時点で、全然変わってしまう。
帝の宣旨を持ち、高貴な屋敷に参上するとか、大臣家で開催される饗宴に勅命を受け甘栗の使いとして参上する。
迎える側からも、気を使われ歓待される様子を見ていると、まるで天人が現れたと思うのです。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :まず唐錦とは、唐からもたらされた錦ですね。
清少納言先生:その通り、厚手に絹織物です、なかなか持てることはありません。
舞夢 :作り太刀は五位以上の人が儀式の時に佩びる装飾用の太刀ですか。
清少納言先生:はい、その通り、金銀、蒔絵で飾ります。
舞夢 :松にかかる藤がよくわかりません。
清少納言先生:ああ、後世になって藤棚というものを作ったようだけど、私たちの時代は松に絡ませました。
舞夢 :六位の蔵人は特別待遇ですか?
清少納言先生:特別待遇で殿上人扱いになります。普通の六位では着用が許可されない綾の着用が許されました。
舞夢 :大臣家の饗宴では帝からのお届け物は?
清少納言先生:蘇といいまして、今で言うチーズのようなものと、甘栗です。
当時は藤棚がなかったこと、チーズが帝から大臣に賜われていたこと、初耳だった。
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