第213話職の御曹司におはしますころ(14)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
そのような信じられないことがあり、二十日に中宮様に前に出任した折に、とにかく最初に、この信じられないことを申し上げました。
「身投げをしてしまった」と言い、蓋だけを持ち帰ってきたという法師同様に、即座に持ち帰ったことが不思議であったこと、折櫃のうえにこんもりと盛り、雪のような白い紙に歌を様子よく書き、献上をしようと思っていたことを申し上げると、中宮様は大笑いになっておられます。
お側にいる人たちも笑っています。
中宮様は
「これほど懸命に雪山を守ろうとしていた気持ちを邪魔にしたのですから、罪も受けるでしょうね、実は十四日の夜に侍たちに命じて捨てさせました」
「どうでしたかと聞いた返事では、誰かが捨てさせたのでしょうとの判断は見事でした」
「その木守の女が手を合わせて捨てないようにと言ってきたのですが、侍には『中宮様の命令で片付けます、あちらの里からくる清少納言様たちには内緒になさい、もし漏らしたら、木守の家など壊してしまうぞ』と言わせて、雪は左近衛府の南の築地塀のあたりに全部処分しました」
「侍が言うのには『雪はすごく固くて、まだまだ大量に残っていっる』ということなので、清少納言の言うとおり、何もしなければ、二十日ぐらいまでは持ちこたえたと思います」
などとおっしゃいます。
職の御曹司におはしますころ(15)に続く。
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