第183話返る年の二月廿日より(2)
私(清少納言)は、寝過ごしてしまいまして、それでも自室に戻りますと、話しかけてくる女房がいます。
その女房の言葉ですが
「実はですね、昨夜、ものすごい音で戸を叩く方がおりまして」
「それでも、やっと起きて眼を覚まして起きて、戸の前に行きますと」
斉信様が
『清少納言様は、中宮様の所ですか?それなら、私がまいったと連絡願えないでしょうか』と言っておられるのですが、清少納言様は熟睡でこれは絶対に起きないと想いましてね、お取次もしないで、私もまた、横になって眠ってしまいました」
とのこと。
それを聞いてしまって私も、少し面倒なことになるなと心配していると、主殿司が着ました。
そして
「頭の殿(斉信)がおっしゃられたことをお伝えします」
『今すぐに、帝の御前から退出いたします、それでですが、どうしてもお聞き願いたいことがあるのです』なのですが」、と言ってきたので、私は
「これから中宮様の御前に参るのでして、それも、どうしてもお世話しなければならないことがあるので」
「ですので、できればそちらで」と、主殿司に言付けました。
返る年の二月廿日より(3)に続く。
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