第180話頭の中将のすずろなるそら言を聞きて(9)
私(則光)としては、本当にうれしかったのですが、「文才とか難しいことにはトンと不向きなので」と申し上げるのですが、
斉信様は
「一言、批評の言を述べるとか、説明を施すということではありませんよ、世の人に伝え聞かすのです」とおっしゃって来るものですが、とても清少納言のお相手にはなれません。
また、全員が上の句を試しにつけようとするけれど、なかなか適当な句がつきません。
結局「どうしても、もう一度返事を返事することもないでしょう」と話がまとまり、「下手な言葉を書き連ねて呆れられるのも、面白くない」として、夜中まで全員が動くこともありませんでした。
このお話は、私(則光)のためにも、清少納言様のためにも、悪くはない話ですよ、司召で少しばかり出世したところで、この良い話に比べればたいしたことはありません。
則光がそんな風に言うので、その説明通りならば、大勢の男が集まって、そんな相談をしていたことも知らず、試されてまでもいたことが、どうにも癪に触る。
頭の中将のすずろなるそら言を聞きて(9)に続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます