第148話おぼつかなきもの

清少納言先生:今日はおぼつきなきものの話となります。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


少々不安なもの。

十二年も比叡山に篭っている修行中の法師の母親。

知らない場所に月夜でもない闇の夜に出かけた時、それでもはっきりと見えてはいけなくて、灯火もしっかりとつけてはいけない、しかしそんな状態でも並んで座っている時の気持。

新参者で、気心もよくわかっていないのに、すごく貴重な品を持たせて人のところへ使いにやったのはいいけれど、なかなか帰りが遅い時。

話をすることも出来ない乳飲み子が、そっくりかえって人に抱かれるのも嫌がり、大泣きになっている時。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :比叡山では、修行の最低期限が十二年とか。

清少納言先生:それは厳しい修行でね、夏は極度に蒸し暑く、冬は極寒、母親としては心配になります。

舞夢    :暗い場所にでかけるのは、主人のお供なんですか?

清少納言先生:はい、足元もよくわかりませんし、転んで恥をかくのもね。

舞夢    :新参者の場合は事故とか事件の不安ですね、乳飲み子の話もわかりやすいです。


この話の中では特に比叡山で修行中の子供を心配する母親が気になった。

当時は女人禁制のこともあるけれど、厳しい修行とその環境の話を耳にするにつれ。不安が高まる母親の気持。

人の親の気持というものは、変わらないようだ。

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