第136話橋は(4)

清少納言先生:山すげの橋は、下野の国日光の大谷川にかかる神橋です。「老のよに としをわたりて こぼれぬは ねづよかりけり 山すげの橋」などという歌があり、これも歌枕になります。

舞夢    :をつの浮橋はなんでしょうか?

清少納言先生:これは「浮橋」という言葉の面白みなんだけれど、そもそも、水上に筏とか舟を並べて縄でつないで、その上に板を並べて橋にしたのが浮き橋。その中で「をつ」は、近江国野洲郡に、小津村というところがあってね、そこの浮き橋が有名でした。

舞夢    :最後の棚橋につきましても、危うい橋という意味が強いのですか?

清少納言先生:まあ、狭い橋で二人並んで渡れない橋で、男女の難しさもこめられるのかなという感じです。


これで「橋」講義は、なかなか難しかった。何より古典和歌の素養がないと、まるでわからない。悲しいかな、文化の断絶も感じている。

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