第124話若くよろしき男の

清少納言先生:今日は男性の女性に対する作法のお話です。

舞夢    :・・・はい、心して訳をしてみます。


まだ若いと言いましょうか、世慣れていないながらも出自の高い男が、身分のが卑しく、どこにでもいるような女の名前を親しげに呼び、話をしているのは褒められた話ではありません。

仮に、その名前を知っていたにしても、知らんぷりが適当だと思います。

そうして、その女の宮仕えする局に近寄って、夜の場合ははっきりと名前を言わないのは感心できないけれど、宮中の場合なら主殿司の女を、私邸では侍所に控えている者を従者にして、相手の女に来意を告げさせるべきなのです。

自分自身で声をかけたりすると、他の人にまで正体やら何やらを知られてしまうので、よろしくないのです。

ただ、身分的には定まっていない者ですとか、童には、自分から声をかけても、特に問題はありません。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :この若いという意味は、年齢よりも世間慣れの話ですね。

清少納言先生:はい、その通りです。

舞夢    :つまり、自らと言いましょうか、あからさまは、よくないということですね。

清少納言先生:はい、キチンと順を踏んでが、雅です。


確かにムキダシの恋は、日本ではあまり品がないと思われていた歴史がある。

特に宮廷という一種の閉鎖社会では、人間も多く、「ほのめかし」程度からの求愛が、好まれたのだと思う。

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