第97話虫は(2)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


額ずき虫、この虫も心に感じるものがある。小さな虫なのだけれど、どんな理由があって仏道に帰依したのだろうか、あちこちに額ずきながらあるいているのでしょう。その鳴き声を聞くと、心をひかれます。

蝿くらい憎まれる数の中に入れて当たり前で、可愛げのないものはない。

人間のように相手にしなければならないほどの大きさではないけれど、秋などになると、もう、どこにでもとまり、その濡れた足で人の顔にまでとまっているなど、本当に憎らしい。そのうえ、人の名前に「蝿なんとか」とつけられることがあるけれど、本当に疎ましい。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :額ずき虫は、米搗虫とも言いますね。「樹上にすみ、体は紡錘形で平たい。あおむけにすると背を地面に打ちつけて跳ね上がる。また、体を押さえると人が米をつくように頭胸部を振り動かす」と辞書に書いてありました。

清少納言先生:見たことないの?

舞夢    :全く・・・


確かに見たことがない。

そういえば、我が家の周りで蝿も、それほど見なくなった。

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