第54話説教の講師は(2)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :それでは、現代語訳します。


また「ありがたいことです。求道心が深いのです」などといって、説教会が催されると聞くと、どんなところでも真っ先に出かけ、座っている人がいる。

今でも不信心な私には、全くやりすぎだと思う。

前の蔵人で、かつては御前駆という事もしなくて、退任した年ぐらいは帝のお近くにも姿を見かけなかった人がいる。

でも、今ではそうでもなさそうに見える。

「蔵人の五位」などと呼んで。彼らをひんぱんに使うけれど、やはりほとんど蔵人の任期が終わり、退任した時の気持ちのそのまま、所在なさから本人自身暇な気持ちなので、そうした説教の場に一度二度足を運ぶようになると、いつも出席したくなるらしい。

夏のものすごく暑い日でも、直衣の下の帷子を目立つように着て、薄二藍や青鈍色の指貫などを踏みしだいて座っているようだ。


清少納言先生:はい、そこまで、ありがとうございます。

舞夢    :質問です。蔵人の五位というのは?

清少納言先生:六位の蔵人が四人おりますが、六年の任期を満了して五位に昇叙しても、五位の蔵人は三人という決まりなので、欠員が無い時に、蔵人の五位と呼びました。

舞夢    :位はあがったものの、仕事がないということですか。

清少納言先生:正式な仕事という意味ではないですね、それ以外は使われます。



なかなか、宮廷社会も複雑な事情がありそうである。

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