第34話すさまじきもの(7)

清少納言先生:では、続けてください。

舞夢    :了解しました。


まあ、これくらいに詠めれば上出来と思っている歌を、人の許に託したのに、ほめるのでもなく、まったく返歌をよこさない時。

恋文の場合は、相手に気がなければ、仕方がない。

でも、そんな場合であっても、季節の美しい風物を詠んだ歌を送ったのに、恋とかとは別に、返事をよこさないと、がっかりする。

また、人の出入りも多く順風満帆な人の許へ、落ち目で暇人になった昔の同僚が、下っ端時代の話のくだらない歌を詠んでよこした時。


清少納言先生:はい、お疲れさまです。

舞夢    :今でいう「シカト」というか、無視なんですね。

清少納言先生:ほんと、失礼です。

舞夢    :恋文は、まあしかたがないけれど、多少はね・・・という?

清少納言先生:いろいろ事情があってもね、季節の美しい風物には返すものです。

       そんな風情のない人は好きになれないけれど。

舞夢    :最後のは、単なるヤッカミですね。

清少納言先生:暇人には、付き合いきれないです。

       で、舞夢君、一度贈ってみてくれる?

舞夢    :風流ですか・・・それとも恋文ですか?

清少納言先生:えへへ、どちらでも・・・


清少納言先生は、クスッと笑い姿を消した。

こっちは「新たな頭痛の種、発生」だ。

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