第23話清涼殿の丑寅の隅の(4)

清少納言先生:それでは続きをお願いします。

舞夢    :はい、それでは。


中宮様は、「古今集」の綴じ本を、お側にお置きになり、和歌の上の句をおっしゃり、「この歌の下の句はどうなっておりますか」などと、お尋ねになられます。

まあ、とにかく、夜昼も無く必死に暗記していたのに、この場になって、すんなりと答えられない、どういうわかなんでししょう。

それでも、宰相の君が十首ほど思い出しました。

他の女房たちは、宰相の君以上に気後れしてしまって、五、六首の歌は全く覚えていないと言いたいようだけど、中宮様のお言葉に対して、頼りない応対も出来ないと思い困っている様子も、なかなか興味をかき立てられます。

「知っております」と申し上げる人がない歌は、そのまま中宮様がお読みになり、教えていただけます。

「この歌は知っていたのに、どうして答えられなかったのかなあ」と言っては、皆嘆きます。


清少納言先生:うん、そんなことがありました。

舞夢    :まるでクイズですね。

清少納言先生:まあ、覚えているようで、その場になるとなかなかねえ・・・

舞夢    :中宮様にお仕えする「たしなみ」も、大変ですね。

清少納言先生:でも、楽しいですよ、そういうの。

舞夢    :古今もしっかり読むかなあ。

清少納言先生:・・・教えましょうか?覚えるまで。

舞夢    :夜を徹してでも・・・

清少納言先生:フフン、寝かさないかなあ・・・お酒も準備してね。


清少納言先生の目が妖しく光っている。

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