ニャクザ ~RIZING~

作者 既読

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★★★ Excellent!!!

 夜もふけて神社の裏から釘打つ音が響く午前三時。
 よいこはねんねするこんな時間に、ふと、テレビを点けてみる。
 するとそこには、昼間では決して流せないような熱く濃い世界が広がっていた。

 R-15。Vシネ。あるいは洋画。
 匂い立つバイオレンスな雰囲気。
 深夜の静寂にブラウン管から発せられる血の色と闇は、なぜだかその時間によく合っているように感じられて。
 昼に夜に見るドラマとは違う楽しみをその中に見る――。

 そんな時間を、誰しも一度は過ごしたことはないだろうか。
 任侠あるいはファミリーの世界を猫に託して語られるこの作品は、そんな深夜がよく似合う名作である。

 三世代に渡って語られるこの物語について、作者さんでもないのに的確にまとめて話すことはなかなか難しい。
 東京という街で生きる猫達の群像劇は、3つの時間軸の中で、その所々を重ねながら語られます。

 第一部――とし蔵・シロ・おき太。渋谷という街の力に翻弄されながらも、颯爽と生きた三匹の兄弟たちの物語。
 第二部――恵比寿の街へと迷いこんだ子猫ビトとルカ。たった二人から始まった、美しく悲しいファミリーのサーガ。
 第三部――英雄の子か裏切り者の子か。自らの血と自らを知るためにあがく若き雄猫に、第一部・第二部の因果が絡みつく。

 第三部こそ完結していないが、終話と共に得も言われぬ寂寞感を胸が吹き抜けていく。そこへと持っていく、作者さんのストーリー造りの巧さには素直に脱帽である。

 ストーリーだけではない。
 部の構成からして練りに練られたこの作品は、話単位にしてもその一話一話の完成度がずば抜けて高い。それこそ、その前後を入れ替えたとして成立するように、丁寧な作り込みが見て取れる。
 また、ハードボイルドな文体が、ただただ事象を読者に突きつけ、読者自身の悲しみを増幅する。

 どうだろうか。

 こんな小…続きを読む

★★★ Excellent!!!

 任侠映画。昭和時代に人気を博したジャンルですが、現在は暴対法の成立に伴って暴力団は表立って活動することが少なくなりました。
 本作の主役たちは野良猫。それも仁義を生命よりも大事にする任侠ニャクザ。
 渋谷、六本木、恵比寿と舞台を移し、デデーンという効果音と共に、烈しくも儚く生命を散らしていくニャクザ達。

 猫好きな方、任侠ものに飢えている方、オススメです。

★★★ Excellent!!!

猫好きにはたまらない、しかし、外で暮らす猫達の世界はまさかこんなことになっているとは。野良猫を見たらニャクザ視点で見てしまいたくなるこの小説。猫好きにおすすめです!

★★★ Excellent!!!

第一回web小説コンテストの開催と同時期に今はなき現代アクションジャンルを荒らし回っていた東京ニャクザ興亡禄の新シリーズです。本作は東京ニャクザ興亡禄の正統続編にあたるようなので未読の方は先にそちらに目を通しておいたほうがいいと思います。さて、前回のwebコンでは登録締め切りを勘違いして一日遅刻するという痛恨のミスで、ランキングで好成績を残しながらもお祭りに参加できなかったニャクザですが、10か月の時を経て満を持してwebコンへの参加となりました。規定が10万字以上となっていますからここからバリバリと進捗して早急にシリーズを畳んでくれることでしょう期待しましょう!猫をモチーフにしながらもかわいさの欠片も感じられない簡潔で硬質な文体と、それでもやっぱりところどころで猫というなんとも言えないおかしみが魅力の本作。サラッとした描写なのに気が付けば引き込まれてしまっている個性的なキャラクターたち。やっぱり僕はおき太(先代)が好き。まずは東京ニャクザ興亡禄 渋谷死闘編からどうぞ。にゃーん!