第44話 織田生徒会長と糯月副会長

*44*


「――、で、〝いけません〟の一言だったと」


 翌日机に頬をくっつけた萌美の上で、雫がパックのカフェオレをすする音が響いた。成功したアップルパイのりんごの香りが鼻を掠る。


「あんた、箱入り娘だから。しかし、困ったな。今から代わりを探すのもな、ん、旨い」


 サクサクのパイの音に吊られて、萌美はがばっと顔を上げた。


「行くよ! せっかくバレー部のお仕事覚えたんだし! 中間考査の追試だって!」

「でも、親が納得しないんじゃ難しいだろ」


(うっ……)


 萌美は昨晩の母親とのやり取りを思い出して、涙目になった。


「いけません。学校に泊まるなんて。風邪引いてもママ知りませんよ」


「風邪なんか平気だよ!」「いけません。後で、パパに怒ってもらうわよ」……で、父親も加勢して、言い返すも「言うこと訊かない子はパパもママも嫌い」の一言で、折れた。


(なんでよ。みんな自由なのに! 高校生だよあたし! ちっちゃいけど! 未だに電車、小学生でも通じるほどちっちゃいけど!)


「おー、凹んでどうした?」杜野と涼風がやって来た。


「合宿反対だってさ」


 雫たちが羨ましい。萌美はしょんぼりと横向きに机にへたばって見せた。


(蓼丸に言わなきゃな……)


 いつもはウキウキと待つ昼休みがなんだか憂鬱になる。


(多分蓼丸は「仕方ないな」って言ってはにかみ笑いして……あたしはみんなが頑張っているのに、家で、ママの焼いたアップルパイなんか食べて、「おやすみ」って寂しく寝て……)


 嫌だと思った。


(今までは、パパ、ママが大切だった。でも今、一番大切にしたいのは違う気がする)


 ――ともだち。

 ――蓼丸。

 ――自分の自信がつく何かの行動……だ。


「やだ、諦めたくないっ」

「――っておまえんち、親がうるっさいだろ。それって、幼稚園のあの事件のせい?」


 ぎっと涼風を睨んだところで、雫と杜野が「なんだその事件」と聞いてきた。


「ああ、こいつ。1度事故に遭いそうになってさ――……ぶ」


 上履きを顔面に喰らった涼風は「なにすんだ、こら!」と萌美に食ってかかる。嫌な思い出を喋る幼なじみの口なんか、汚れた上履きで封じるが関の山だ。


「ああ、それで、過保護なんだな。旨そうなアップルパイ。俺も貰っていい?」

「ああ、桃の母ちゃん、お菓子得意だもんな。俺も」


 杜野の「過保護」の言葉にぐさりと来た。しかも涼風がアップルパイ全部平らげてしまって、蓼丸への分は見事に無くなった。一生懸命焼いたのに。マコのバカ!


「ともかく、蓼丸に相談してみる……マコなんかお腹壊しちゃえ! 全部食べちゃって!」


 よろりと幽霊のように立ち上がって、萌美はフラフラと廊下に出た。ぺちゃくちゃと喋っている女子たちに、肩を組み合って笑い合っている男子たち。また疎外感……。


(みんな、楽しそう。修学旅行とか、合宿とか。なんで、あたしはダメなの?……楽しいことしたいよ)


 ――萌美は一度、幼稚園の時、トラックに轢かれそうになった。



『萌美、そっちは車が通る道だからいっちゃだめよ』

『はあい』

(でも、言うことを聞かず、あたしはひょい、とガードレールを潜ったの。大きなトラックが目前に迫った。小さいあたしなんか見えてなかった。ペコペコした靴が脱げて、あたしは屈んだ。その時、もし、マコが走って来て手を引かなかったら――死んでたかも知れない)

(「萌美!!」金切り声を上げたママの顔は忘れない)


 それからは必ず萌美が外に出ると、付いて来るようになって……。


 心配してくれているは判る。判るけれど……ああ、泣きたい。しゃがんだところで、「あら」と階段の上から声がした。見上げると、手すりからひょい、と織田会長が顔を見せた。


「……おや、蓼丸のトコの子猫ちゃん」


「織田。校内巡回こと、ナンパに猫を拾っちゃだめよ。しかも、この猫、めっちゃ泣いてるわよ……桃っこ子猫ちゃん、大丈夫?」


 軽快に階段を降りる音。ふわっと靡く黒髪。腕章を嵌めた副会長糯月の腕が、動けないまま頬を濡らした萌美の肩を叩いた。


「蓼丸が泣かしたのね。……可哀想。あの陰険眼帯、いつかとっちめてやるわ。あの眼帯を外すと、きっと鞭を持ち出すのよ」


「副会長。きみの妄想は物語の中だけにしておこう。子猫ちゃん。我々は非常に暇だ。生徒の(特に女の子の)悩みを訊くも、生徒会長たる仕事だろうと思う。副会長、どうだろうか。この子猫ちゃん、使えると思わない?」


 織田生徒会長と糯月副会長は視線を合わせ、共犯者のにやりとした。


「この子がいれば、蓼丸に言うことをきかせられるわね。素晴らしいわ、織田。篠笹体育祭、盛り上げて欲しいもの。次期生徒会長としての力量を見せて欲しいものね」


「そう。そこの可愛い桃色ピンクな子猫ちゃん。どうだろう。この学校のために、ひと肌脱いでくれないか? 蓼丸を勝手に生徒会長に任命したいのだが、本人の承諾がいるわけさ。あの眼帯王子は頑固でね」


(蓼丸が次期生徒会長?)涙が引っ込んだ。


「あの頑固な眼帯、拒むのよねぇ……中学校で会長職やってるくせに。書記にしとくの、勿体ないでしょ? そこで、わたくしたち、作戦を練っているの」


 ――なんだか、また蓼丸の変な事態に巻き込まれた様子。三年二人に囲まれているうち、涙も乾いてきた。


「行きましょう」と優しい糯月に背中を押され、クエスチョンだらけの脳裏でついて行く。


 進路の決まった三年生はもう授業が少ないらしい。到着したのはカフェ。三年生は皆、くだけた表情だ。「あそこがいいわ」と窓際のテーブルに三人で落ち着いて、織田が飲み物を買ってくると席を立った。


「バナナジュース、ブラック珈琲、ミルクティ。甘いほうが良いだろうからバナナかな」


「ミルクティいただくわ」は副会長。


「すいません……ブラックのほうで」は萌美。


「これは驚いた。蓼丸の彼女は実はハードボイルド系か! よし、バナナはお肌が綺麗になる。僕が悦んで戴こう。で、どうして一人で涙を? 女子の涙は男の腕の中で流すものだよ? 一人で泣かせるとは、蓼丸を教育しないとならないな」


「はい」と萌美はホットコーヒーを糯月から受け取り、ちら、と二人を見やった。


 この二人はしょっちゅう蓼丸を困らせているのである。逃げたり、眼帯解かれたりで。彼女として、ラブシーンが続かないところに、引っかかりを抱えていたりして。

「先輩たちは蓼丸が好きなんですか、嫌いなんですか」


 二人は顔を見あわせ、クックックと笑い出した。


「あの、本気で聞いているんですけど」

「本気だから笑ってるんだよ。子猫ちゃん」


 よく見ると、織田も糯月も同じ制服を着ているが、萌美とは雰囲気がまるで違う。落ち着いている、大人の男女の雰囲気。高校三年生って、こんなに大人に見えるんだ……と見ていると、【黒髪が良く似合う。和風のお姉さん】糯月華夜と目が合った。


 織田は軽めの口調に、歪めた口元が印象的だが、笑うとどこかあどけない。いたずらっ子の目をして、いつも蓼丸にちょっかいを出している表情そのままで目を細めた。


「――好き、かな、副会長、どう思う?」


 糯月は「好きよね。きっと」とニヤニヤする。「可愛いと苛めたくないじゃない? アレ。あとは、わたくしも、蓼丸の秘密、暴いて欲しいのよ」

「またきみはそればかり。眼帯を2度解いたが、海賊になるだけじゃないか。報道部のガセだよ。報道部は嘘つきが仕事」


「でも、この目で見たいの」


 ――なんの話? と唇を曲げた萌美に気づき、二人は秘匿会話を止めた。


(蓼丸の秘密? まだあるの? あの眼帯王子の秘密)


 蓼丸は眼帯を何かの封印のように外さない。でも、萌美にはやたらにキザな台詞を言うし、男を見れば血気盛んになるらしいことは知っている。


 ――報道部が狙う理由、なに? 執拗に狙われていると蓼丸は笑っていたけど。


 察したように、生徒会長の織田が、話題の切り口を変えてきた。


「きみの質問の回答は、「僕たち蓼丸超絶愛してる」になるわけだが、泣いていたわけは?」


 そうだった。萌美が泣いているを心配してくれて……話さない理由はないとおずおず口を開く。


「……お母さんと喧嘩しちゃっただけです。合宿止められちゃって。みんな楽しそうなのに、わたしだけは世界に入れない。事故に遭っちゃってから……だから、過保護なんです」


 二人はまた顔を見合わせた後、「ちょっと聞いても良いかな」と織田が萌美の隣にやって来た。


「気になって仕方がないんだが、きみもしかして蓼丸と、涼風と、3ぴ……」


「織田。相手は子供よ。何を言い出すの。トライアングル? ああ、ええと。三角関係よ。男の子二人と交互に付き合ってるように見えるわよ。両方彼氏なんてことは……」


「あたし、うまくやれていますか?」


 今度は副会長の目が丸くなった。


 間違っても〝ふたまた〟なんて思われたくない。萌美を困惑させないように、互いを牽制し合っている二人のためにも。


 子供だから、調子いい女は気取れない。――それもクリスマスには、終わらせなきゃいけない期限付きで。


 ――〝蓼丸、なんでクリスマスって言ったか、聞いてる?〟


 涼風の言葉を思い出した。


「あのっ」


 落ち着き祓った二人に萌美は身をにゅっと乗り出させる。瀬が低いから、どうしても前のめりになるは仕方がない。でも、この二人になら相談できると思った。


(先輩たちは蓼丸が好きだからって……なら、わたしの気持ちも分かるはず)


「……蓼丸、クリスマスまでに決めろって……そこだけ強く言ったんです。でも、理由がわからなくて」


「それ、スウェーデン王子だからだろ」


 織田がするりと答えてくれた。


「スウェーデンのクリスマスはユールと言って、12月の間、そして伝統的に1月13日の聖クヌートの日まで祝うから、長いんだ。付き合ってた美大生が言ってた。スウェーデンのクリスマスはパーティーじゃない。厳かなものだと。あと、あの国に「付き合ってください」はないと聞く」


 驚いた萌美に、織田は真剣な表情になった。


「キスが一番大切で、相性が良ければ、セッ……。あ、うん。体を使って仲良しになるんだなっ。だからお付き合いの段階はないって。きみが付き合ってと言った時、副会長がからかったんだ。なぁ、糯月副会長」


 副会長はふふっと笑いを零すと頷いた。


「ええ、桃原に告白されたから。桃カレさんって呼ぶわね、と。耳まで真っ赤よ。あの朴念仁が」

「蓼丸が赤くなった?」


「ねえ、上級生を呼び捨てにするの、面白い。そう、〝あの蓼丸が?〟――よ」


(ヤッバイくらい、嬉しい! 蓼丸喜んでくれてたんだ……)


「ありがとうございます」と頭を下げて、「ふへへ」と変な声で頬を熱くした。

「悩むなら、お話してみればいいんじゃない?」

「いつになく優しいね。きみにしては」

「あら、そんなことなくてよ。蓼丸が色んな表情見せると、嬉しいのよね。あ、織田、あんたはもう見せなくて良いわ。完全に見飽きたから」


 織田がふっと微笑んだ。上級生の目線がこんなにも優しいと思ったことはなかった。蓼丸も、とても優しく萌美を見下ろす。みんなどこで優しさを覚えるのだろう?

「涙、乾いたようだね。では、我々は生徒会室へ行こうか。我が書記の蓼丸がタコのように震えているだろうからね」


「そうね。何か積んであったわね」と生徒会長と副会長は「またね、桃っこ王女」「蓼丸によろしく桃姫」と各々勝手に仇名を置いて帰って行った。



***

 ――悩むなら、お話してみればいいんじゃない?



(そうだよ。蓼丸といたいのは確かなんだ。マコが大切なのも確かなんだから。ママと戦うことになっても。きっとみんな許してくれる。桃原萌美は頑固です)


 振り返ると、織田と糯月もちょうど萌美に振り返ったところで。


「ありがとうございました!」と頭を下げると、ひょ、と背中向きに二人は腕を伸ばして、手を振ってくれた。


***


 いつになく気持ち良く午後をやり過ごして、放課後。

 話したいことがあると、蓼丸に逢いに行く足取りも軽い。


 こういうとき、恋をしてるんだな~……と思ってみると、同じ軽さで涼風も歩いていた。


 ――恋してるんだな。マコも。……あたしに。


(あたしも、頑張って優しくなってみよう。甘えてばっかりじゃなくって)


 コリコリ。頭をカリカリ指でかくと、萌美はぱっと涼風を振り返った。


「新しい、トランプマジック覚えた? マコ」

「お、おお」蓼丸に対する萌美と同じ。涼風もまたドキドキしているのか、呼吸が短くて変。上目使いで見上げてみた。


「……1人オーケストラなう?」


 涼風はごくっと萌美を見て唾を飲み下した。


「なう? じゃねーよ! おまえ、男を上目使いで見んな!危機感持てよ! 俺、幼なじみだと思ってんだろ。違うぞ」


 涼風はぴたりと足を止めた。弛んだズボン右足をちょっと曲げて、上履きをはき直す。


「男だよ。俺も、蓼丸も」

「知ってます! あんた、キスしたじゃん」


 間が持たなくなった。どうも、涼風とは甘くならない。なられても困るけれど。


「……クリスマスまでにって言った意味だけどさ、聞きたい?」

「あ、それ、聞きたい! 合宿で聞こうと思ったんだ、蓼丸に」


 ――でも、ママに怒られている。まずは、そこを打破しなきゃならなくて。考えている前に、涼風が立ちはだかった。(ぬ?)と眉を顰めたところで、顎をつままれた。

 至近距離でみると、マコの目の形はどんぐりだ。


「また、キスさせてくれたら教えてもイイ」


 きら、と目を光らせて、驚きの萌美を瞳に映す。逆さまだ。逆さまの桃っこが文句を口にした。


「またそれ? あ、あんたのせいで、蓼丸の気持ち、踏みにじっちゃったんだよっ! 蓼丸はキスを凄く大切にしていたのに! バカやっちゃったでしょ!」


 涼風は舌打ちして、萌美から離れた。


「それ、俺のせいかよ。どうせまた蓼丸に余計なこと言ったんだろ」


 ――はい、言いました。


 涼風はキスしようとしたなどどこ吹く風で腕を伸ばした。夕暮れが忍び込んだ校内はオレンジ色に浮かび上がった大気が廊下を淡く染める。


 都会とは思えない、穏やかな高台。太陽もオレンジに染まって、また明日だ。


「それより、おまえバレー部に入部したの? 蓼丸が心配してたぞ。紅葉のような手が腫れないかって」


 生徒会で一緒の涼風と蓼丸はよく会話を交わすらしい。


「あ、うん。雑用だけど、人手が欲しいって。あたしちっちゃいから隙間に入れるし」

「そか」


 萌美は足を止めた。


 爪先、ぐりぐりぐり。聞きにくいけど、聞いておきたいことだらけだ。(悩むなら、相談しなさいな)先程の糯月の会話が心に刺さる。


「……あんた、なんであたしを諦めないのよ」

「好きだから?」


(あ、疑問系にしたな! 卑怯ものめ)涼風はパサパサの髪を揺らすと、「好きだよ」と再度告げた。まっすぐな視線は涼風の最強の武器だった。


「深刻になんないでよ」


「ずっと。まさか、初日に彼氏決めてるとは思わないだろ。プライドなんかどっか行くほど、桃が好きだ。俺、傍にいられるなら、蓼丸の靴だって舐めるよ」

「意味、分かんない……蓼丸嫌がると思うけど」

 涼風はぷぷっと笑って、「今のままがいいよな」と腕を伸ばした。


「バカやって、親のことで悩んでさ。んで、俺はちょろちょろ邪魔しておまえに鞄で殴られて。でもおまえは笑ってくれて。蓼丸さ、すげーんだ。仕事も、活動も、性格もパーペキ。桃、いい男好きんなったなって……言い聞かせてんだけど簡単にゃ行かねーもんだ」


 涼風はポケットからトランプを取りだして、バババババと空中にアーチを描いて、また手に納めた。


(また、巧くなった……トランプが綺麗)


「俺、夢があってさ。親父の影響だろうな。マジシャンになりたい。驚かせたいんだよ。そんで笑顔をたくさん見たい。蓼丸には言ったんだ。そんで……」


 涼風はにやっと笑って、「ここまで」と話題を取り上げようとした。


「話、繋がってないよ」


 萌美の指摘にうっと詰まりながらも、涼風はぽけっとに手を突っ込んでぶっきらぼうに告げる。


「うるせーな。……男と男の約束に、女が首を突っ込むんじゃねーよ」


「約束? 蓼丸と?」


 涼風は目を細めた。優しく微笑まれて、たじたじと視線を逸らしたくなる。いつから、こんな視線を投げるようになったのだろう。男の子って分からない。


「そう。約束! 桃を大切にしようってちゃんと納得してんの! おまえは俺と蓼丸の真ん中でちょろちょろ、きょろきょろしてりゃいーよ」


 涼風は、目を細めて声音を甘くした。


「おまえが困ったらさ、俺か、蓼丸が必ず見ているから。そうやって好きな奴を見守れたらいいなって。……俺、負けたくないから頑張るけどなっ」


 最後はにっと白い歯を見せて、涼風は「さーて、生徒会~」と本館に。萌美はバレー部の手伝いに体育館へ向かう道を同じにした。篠笹高校の構図は、校庭を挟んで、本校舎と本館、講堂・図書館・体育館・クラブハウス棟に別れる。至極簡単だが、桜並木を追うと複雑な道筋になる。ふと、バラック小屋があるに気づいた。――なんだろう、あのボロ。


「じゃあな」

「うん、蓼丸と杜野くんに宜しく」


「おまえさ、なんで蓼丸さんだけ苗字呼び捨てにすんの? 俺はマコって分かるけど。なら、リョースケって呼べば?」


 萌美はモジモジした。実は長い間蓼丸を名前だと思っていた……などと知られたくない。


「い、いいでしょ! ほら、生徒会行きなよ! また会長たちに蓼丸迷惑……」


 織田会長たちとのやりとりを思い出し、萌美は言葉を呑み込んだ。


 合宿まではもうすぐ。


 ――参加したら、きっと何か変われる。だから頑張るしかない。


〝おまえが困ったらさ、俺か、蓼丸が必ず見ているから。そうやって好きな奴を見守れたらいいなって〟


 ――困ったら2人が見ていてくれるなら、わたしは、極限まで困ってみようか――。


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