さやけくこひたもう

作者 千花鶏

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20人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

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想うことは許されるの?
いく度も自らに問いかけるのだけれど、ブレーキを踏んでも踏んでも止まらない気持ち。
はじめての恋だから。憧れやときめき、未知な世界への戸惑いや躊躇、いろんな気持ちが溢れ出す。
恋は残酷にも二人を引き離し、すれ違いお互い傷つけあうのだけれど。

人の持つ弱さ、身勝手さや愚かしさをさらけ出しながら、二人は少しずつ歩み寄る。
清らかな恋なんて、ないのだろうけれど、あなたへの想いだけはきれいなものであると信じたい。
そう、お互いを想う気持ちだけはどこまでもまっすぐで、地に辿りつく前の雪のように真っ白い。

冬の寒さが身に凍みる季節に是非読みたい美しい恋物語です。

★★★ Excellent!!!

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ヒーローとヒロインの年の差は7歳。出会った時は大学生と中学生と聞くと、先生と生徒の恋愛くらいに危うい感じがするものです。
ですが、このヒーロー、その危うさをしっかりと理解して、その上で、法で許される時をじっと待っているのです。

ですが、中学生が大人になるまでの時間はやっぱり長過ぎる。
そして、ヒロインが大人に近づけば近づくほど恋情は膨らみ、恋情が膨らめば膨らむほど、理性で抑えるのは難しくなる。
ヒーローの静かな情熱が痛いほど伝わってくるせいで、いつか彼の理性が決壊しそうで、いつしか手に汗を握ってハラハラと見守っていました。

この危うい恋の行方がどうなるのか。ぜひ静かで熱い恋をご堪能下さい!

★★★ Excellent!!!

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 切ない、という言葉がぴたりと当てはまる、タイトルどおりにさやかな恋物語でした。いえ、さやかというよりは熾火でしょうか。静かでいて、奥で消えずに燃える想い。
 それゆえにすれ違い互いに傷つけあう、人間の弱さや身勝手さ、恋情の醜さ、人を想う気持ちの美しさが、露子と暁人だけでなく周囲の人物も含めて見事に描写されていると思います。大人のラブストーリーを読みたい人は、是非読んでみてほしいです。

★★★ Excellent!!!

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家庭教師とその教え子として出会ったふたり。露子と暁人。その年齢差七歳。

現代ものでは犯罪臭との戦いである年の差恋愛を、絶妙な匙加減で描いていて、その上で、恋というものをリアルに表現しているのがこの「さやけくこひたもう」だと思う。

しんしんと降り積もる雪のような文章で、恋のうつくしさや少女らしい憧れを描き、けれどもその恋はきれいなだけのものではないと容赦なく突きつける。
恋とはいとおしさや切なさや、そんなものでも出来ているけれど、それだけではなくて、独占欲や支配欲や、愚かしさや醜さもともなうものであると。
しかしそれらの感情の根幹「このひとがすきなのだ」という思いは、なにものにも侵しがたいきよらかなものだろう。

ちょうどこの季節、冷えた冬の日にあたたかな部屋のなかで読んでみてほしい。

★★★ Excellent!!!

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出会ったときは生徒と家庭教師。決して一線を越えられない立場で、それでも自分の想いを否定できない苦しみと、一つ一つの出来事に悩みながらも立ち向かう二人の姿が描かれているお話です。

たくさん回り道をしたり、逃げたり、悩んだりもするけれど、だからこそたどり着けた答えなのだと思います。

自分のいる町のどこかに、この物語の主人公たちがもしかしたらいるんじゃないか。そんな風に錯覚してしまいそうなほど、どこか身近にも感じられるおはなし。

けれど、決して飽きさせることなく、主人公たちの行動に一喜一憂しながら最後まで一気に読み進めてしまう物語でした。