最終話 君じゃなきゃだめ。

君じゃなきゃだめ。ー1ー


「何?話って」


私は愛未に聞く。


「・・・ごめんなさい!!」


愛未は突然、私に頭を下げて言った。


「え?」


「透子ちゃんは何も悪くないのに立夏くんが透子ちゃんを好きだって知って嫉妬して透子ちゃんを避けて。友達として最低な事をした。本当にごめんなさい!」


愛未・・・


「愛未さ、あんたさ!透子の気持ち、なーんにも分かってないよ!」


ユキちゃんが愛未を睨みつけ、言う。


「え?」


「ユキちゃん、大丈夫だから」


「透子!」


私がちゃんと話すべきだ。


「ごめん!愛未!私、ずっと愛未に隠してた。私ね、ずっと立夏が好きだった」


「透子ちゃん・・・」


「ずっと愛未に言えなくて。愛未を傷つけたくなかったから。結局、愛未は私から離れちゃったけど」


「透子ちゃんずっと我慢してたの?」


「うん。でもね、和樹に会ってから変わったの。立夏と愛未見てるの辛かったけど、和樹と一緒にいるとね、彼と恋がしたいって気付いたら思うようになってた」


「え・・・」


「そういう話、ぜーんぶ今聞いたでしょ?私、愛未に嫌われたくなくて愛未には何も言えなかった。だから、すれ違ったんだよね。でもさ、もしもっと気持ちぶつけてたら違ったね」


「透子ちゃん、私・・・」


「これからはぜーんぶ話す!ケンカする覚悟で。言いたい事言えないのはただの上辺の友達になっちゃうから」


「私も・・・自分の事ばっかで透子ちゃんの気持ち考えてあげられてなかった。ちゃんと透子ちゃんの話聞いてあげられてなかったから!だから、変わる。私、やっぱり透子ちゃんと友達やめたくない!都合良く聞こえるかもしれないけど」


「うん。仲直り、しよ!」


私が言うと、愛未は笑顔になる。


「全く、透子は本当優しいんだから。愛未、今度透子を傷つけたらあたしが許さないからね!」


「うん、ユキちゃん!」


良かった。


ちゃんと愛未に今迄言えなかった事を吐き出せた。


ようやく心のもやが晴れた気がする!



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