私の好きな人。ー4ー


私はインスタを見るのをやめる。


全部忘れられる薬があれば良いのに。


そしたら、どんなに楽だろう。


私は彼を好きでいるのをやめたい。


どうしたら、やめられる?


どうしたら・・・。



「透子、もう良いの?大丈夫?お弁当も残してたけど」


「なんか、胃の調子がね」


「あまりひどいようなら病院行きなさい」


「う、うん」


今日も夕飯を残してしまった。


どうしたら良いのかな。


苦しくて苦しくて、一人になる度に涙が止まらない。


藤宮くん・・・


「もう、遅いのに」


何度も何度も後悔したって無駄だ。


藤宮くんを私は諦めなきゃいけない。



その日の夜もよく、眠れなかった。


いつになったらこんな鬱な気持ちから解放されるんだろ?



「なんか、頭クラクラする・・・」


でも、学校行かなきゃ。


お母さんに心配かけちゃう。


今日はユキちゃんが気分転換にカラオケ行こう言ってたし。


ずっと気持ち悪さを感じながら私は昼休みまで過ごした。


今日も誰とも話してない。


こんな学校生活は初めてだ。


泣き腫らしてる目とクマを鏡で見て私はそんな自分に呆れる。


本当、可愛くない。


こんな私じゃだめだよなぁ。


藤宮くんが一年の女の子に行くのも納得。


私は幸せになれないのかな。


どうしたら良いか全く分からない。


ずっと地図も無い状態で暗闇の中を歩いているみたい。


ユキちゃんと御飯の約束をしていた私はユキちゃんのクラスへ向かう。


だけど


あれ・・・?


足がおぼつかない。


だめ・・・だ。


ユキちゃんの教室に行かなきゃいけないのに。


気付いたら私は地面に倒れていた。


「・・・先輩っ」


あ・・・れ?


藤宮くんの声が聞こえる。


ついに耳までおかしくなった?


バカだな、私・・・


意識が失われる寸前、身体が宙に浮く感覚がした。



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