揺らぐ想いー3ー


「透子ちゃん!こっち!」


3限目の直前になると、愛未が窓の外を見ながら私を呼んだ。


「ん?」


あ・・・


窓の外を見ると、一年生がグラウンドに集まっていた。


中には藤宮くんもいる。


青いジャージがよく似合う。


藤宮くんは友達と話している。


「ふ、藤宮くん!」


私が呼ぶと、藤宮くんが二階にいる私に気がつく。


「透子先輩ー!」


藤宮くんは笑顔で私に手を振る。


「体育頑張って!」


私が言うと、藤宮くんは笑顔で頷いた。


「何、イチャイチャしてんだよ!」


「や、やめろよ!別に良いだろ!」


藤宮くんは友達にからかわれて動揺している。


「可愛いなぁ・・・」


「透子ちゃん、本当良い感じだね。藤宮くんと」


「そ、そうかな?」


「うん。にやけてるよ?顔」


「えっ!」


だけど


「カズー!」


えっ・・・


いきなり一年生の女の子が後ろから藤宮くんに抱きつく。


「な、何するんだよ!」


「カズ、体格良いからハグしやすいんだもん」


「お前な!」


「きゃあ!カズが怒ったー!」


そういえば藤宮くん、女の子の友達もいるんだっけ。


友達同士のじゃれ合い、だよね?


「透子ちゃん?」


「愛未、次英語の小テストだよね?一緒に復習しよっ」


「えっ?あ、うん」


何で見ていたくないなんて思ったの?


私だって立夏とか男友達とじゃれ合いをするじゃん。


何で?




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